記者コラム「清流」 足取りが軽い理由
霧の日も雨の日も、炎天下の日も、あしたか球場に足を運んだ。春は野球取材に向かう球場までの坂道がつらかったが、夏はどんな天候でも足取りが軽い。
春はスコアブックをつけることで頭がいっぱいだった。夏は負担に感じずにつけられるようになったからか、視野を広げて試合を見ることができた。
選手らがマウンドに集まったときの表情、殊勲打を放ったときのしぐさ、勝ったとき、負けたときのチームの雰囲気。ピンチ、チャンスのときの監督の言葉がけ。
特に取材をしたことのある選手や監督の試合は、その行動や言葉を見て聞いたとき、こみ上げてくるものがあった。球場までの足取りが軽くなったのは、高校野球に潜むドラマを見ようとする目が芽生えたからかもしれない。
(東部総局・天羽桜子)