記者コラム「清流」 楽しみは来年に

 6月終わりの夕方、近所の神社で茅の輪をくぐるのが家族の恒例行事になっている。気付くと蚊に刺されているが、夏至を少し過ぎても日の入りまでゆったり過ごせる。この時間が好きだ。
 そんな時期、島田市の大村屋酒造場は、元旦から半年の節目に厄をはらう「夏越しの大祓」などにちなみ、純米吟醸原酒「若竹 夏詣酒」を出荷している。静岡酵母の上品な香りと辛口で軽快な味わい。おすすめは冷酒。トウモロコシの天ぷらや白身魚の刺し身に合うという。蒸し暑い時期を乗り切るにはぴったりだ。
 取材から何日か後、暑さに耐えきれず取り扱っている酒屋に出向くと、店先には「売り切れ」の張り紙が。「楽しみは来年に取っておこう」。自分に何とか言い聞かせた。
 (島田支局・寺田将人)

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