競泳女子 鈴木（飛龍高）県高校新で制す 男子・松本は２冠 静岡県選手権
競泳の国体選考会を兼ねた静岡県選手権（県水泳連盟、静岡新聞社・静岡放送主催）が３０日、県富士水泳場で行われ、女子５０メートル自由形で鈴木月渚（飛龍高）が２５秒７０の県高校新記録で制し、１００メートルと合わせて２冠を獲得した。男子５０メートル自由形は松本周也（ヒマワリＮＷ）が２２秒６４の大会新で制し、２００メートル個人メドレーと２種目で県王座に就いた。
「イメージまでもう少し」と松本 パリ五輪へ照準
パリ五輪を狙う松本（ヒマワリＮＷ）が実力通りの泳ぎで男子２００メートル個人メドレーと５０メートル自由形の２種目を制した。「イメージ通りの泳ぎまでもう少し」。大舞台への出場権獲得に向け、決意を新たにした。
個人メドレーは得意のバタフライと背泳ぎで一気に周りを引き離した。苦手の平泳ぎも「決勝は力んだが、まあまあの出来」。自由形で再びギアを上げ、「（１分）５９秒台は久しぶり」と笑顔。最終種目の５０メートル自由形もスタート直前に帽子が破れるハプニングがあったが動じず、大会新で締めくくった。
五輪を狙うメイン種目は２００メートル個人メドレー。ライバルに勝つため、「レースの中で泳ぎに強弱をつけ、体力の使い方を工夫して前半攻めながら後半のタイムも上げたい」。平泳ぎの強化とともに全体のレベルアップを図り、悲願成就を目指す。
泳ぐたび自己新、精神面成長 鈴木
「体が重いと思ったのに、不思議な感覚」。女子５０メートル自由形で県高校新の２５秒７０をたたき出した鈴木（飛龍高）はレース後、驚いたような表情を見せた。
この日は１００メートルも制したが泳ぎがはまらず、「記録を狙うより楽しもう」と気持ちを切り替えて５０メートルに臨んだ。スタート後、浮き上がりからリラックスしてレースに入ると、中盤からぐんぐん加速。「泳ぎながら水に手が掛かる感覚があった」と振り返った。
高校１年時に全国総体で３位に入って注目を集めたが、昨年は５位。「周りからの期待が見えないプレッシャーになり、苦しい１年だった」と振り返る。
スランプの中で自らを見つめ直し、精神的に成長。レース前には深呼吸を繰り返して「大丈夫」と自身に言い聞かせ、「今は気持ちをコントロールし、自分の世界に集中できている」。
６月下旬の県総体、１週間前の東海総体、今回の県選手権と今夏は立て続けに自己ベストを更新し、「小学生の時以来でびっくり」と笑う。上り調子で臨む８月中旬のインターハイ。「力みすぎず、予選から自分の泳ぎを見せ、てっぺんを取りたい」。北の大地で表彰台の頂上に上がる準備はできている。
（運動部・寺田拓馬）
【男子】
▽５０メートル自由形 ①松本周也（ヒマワリＮＷ）２２秒６４＝大会新②石川（筑波大）２３秒１８③松田（レオリブレ）２３秒２３
▽１００メートル自由形 ①高橋航太郎（自衛隊）５０秒６０②石川（筑波大）５０秒８２③増田（浜名湖ＳＳ）５１秒４５
▽４００メートル自由形 ①勝又悠起（日大）３分５７秒４８②大木（飛龍高）３分５７秒５２③杉山（中京大）３分５９秒３２
▽１００メートル背泳ぎ ①奥大輝（飛龍高）５７秒４９②上嶋（東富士ＳＣ）１分０秒５６③岡田（ＢＩＧ棒屋）１分０秒５７
▽１００メートル平泳ぎ ①石田竜一（日大）１分２秒３９②藤森（横浜サクラ）１分２秒７０③釜田（東洋大）１分２秒９３
▽１００メートルバタフライ ①松葉柊哉（中京大）５４秒１８②鈴木（中京大）５４秒６８③伊藤（新潟医福大）５５秒０１
▽２００メートル個人メドレー ①松本周也（ヒマワリＮＷ）１分５９秒１４②杉本（中京大）２分３秒５７③藤森（横浜サクラ）２分４秒８６
【女子】
▽５０メートル自由形 ①鈴木月渚（飛龍高）２５秒７０＝県高校新②松永（日体大）２６秒３５③磯江（法大）２６秒６８
▽１００メートル自由形 ①鈴木月渚（飛龍高）５７秒６１②中島（日大三島高）５８秒００③磯江（法大）５８秒０７
▽４００メートル自由形 ①佐藤麗（飛龍高）４分２２秒２８②栗田（とこはＳＳ）４分２８秒６９③宮津（浜名湖ＳＳ）４分３０秒８７
▽１００メートル背泳ぎ ①宮津優羽（浜名湖ＳＳ）１分５秒４７②広橋（浜名湖ＳＳ）１分５秒９６③飯田（浜名湖ＳＳ）１分７秒０１
▽１００メートル平泳ぎ ①柴本真衣（専修大）１分１３秒３１②後藤（とこはＳＳ）１分１４秒２４③山下（レオリブレ）１分１４秒３１
▽１００メートルバタフライ ①大塚華蓮（中京大）１分１秒７５②松野（浜名湖ＳＳ）１分２秒９７③大沢（袋井ＳＣ）１分３秒３１
▽２００メートル個人メドレー ①大塚華蓮（中京大）２分１７秒９４②上原（飛龍高）２分２０秒５０③戸塚（伊東ＳＳ）２分２３秒０７
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