⚽前十字靱帯損傷から復帰の千葉 女子選手に大きな勇気 サッカー女子W杯 5日決勝T1回戦 

 右膝の前十字靱帯(じんたい)損傷の大けがから復帰し、サッカー日本女子代表としてワールドカップ(W杯)に出場したFW千葉玲海菜[れみな]選手(24)=藤枝順心高出、ジェフユナイテッド市原・千葉レディース=。特に女子に多いとされる故障からの復帰は、同じけがで苦しむ女性選手に大きな勇気を与えている。「私が復帰して活躍した姿を見せられるようにリハビリを頑張ってきた」。5日、ノルウェーとの決勝トーナメント1回戦に臨む。

右膝前十字靱帯損傷のけがから復帰した、なでしこジャパンの千葉玲海菜選手=6月下旬、千葉市内
右膝前十字靱帯損傷のけがから復帰した、なでしこジャパンの千葉玲海菜選手=6月下旬、千葉市内
千葉玲海菜選手(24)
千葉玲海菜選手(24)
右膝前十字靱帯損傷のけがから復帰した、なでしこジャパンの千葉玲海菜選手=6月下旬、千葉市内
千葉玲海菜選手(24)

 千葉選手がけがを負ったのは昨年9月下旬の練習試合。いつもとは違う右サイドバックに入り相手と競り合っている最中だった。「戻りながら守備をして球を取る時、着地でひねった感じ」。全治8カ月の大けがだった。同じけがの治療中だった、なでしこジャパンの高橋はな選手(23)=三菱重工浦和レッズレディース=と励まし合い、なんとか2人で代表に滑り込んだ。
 前十字靱帯のけがに苦しむ選手は県内にも多い。なでしこ1部リーグの静岡SSUボニータのDF大間由樹選手(27)は高校から大学時代、3度も左膝の同じ部分を断裂した。最初のけがは「人生で一番痛かった」と振り返る。現在も左膝は万全ではなく6月以来、試合から遠ざかる。FW原智聖選手(23)も大学時代に右膝を手術し、復帰まで1年がかかった。「本当に走れるようになるのか」と不安になったという。
 千葉選手の後輩に当たる藤枝順心高のFW辻沢亜唯選手(3年)は、1年時に右膝の前十字靱帯を断裂し9カ月の長期離脱を余儀なくされたが、今夏の全国総体で3戦連続ゴールを決め優勝に貢献。「同じけがをした千葉さんがW杯でプレーしているのはすごく励みになる」と語る。同校だけでも現在、このけがに泣いている仲間が多くいる。千葉選手は「諦めずリハビリをすれば目標はかなう」とエールを送る。
 (運動部・名倉正和、山本一真)

 前十字靱帯(じんたい)膝関節の中にある靱帯で運動する時などに膝を安定させる役割を持つ。サッカーやバスケットボールなど方向転換を伴う競技で特に損傷が起こりやすい。骨盤の形状や筋力のバランスなどから、女性は男性よりも発生頻度が高いとされる。

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