前議長ら参考人招致 御前崎市議会の議決後変更要望 調査特別委

 御前崎市議会の議長ら7人が保育事業の予算を議決したにもかかわらず、市に計画変更を求めた問題で、原因を究明する市議会調査特別委員会(委員長・阿南澄男市議)は4日、当時の議長で、市への計画変更要望を中心的に進めた河原崎恵士氏ら市議3人を参考人として招致した。3人は見直しを求めた理由について「(予算議決後に)住民から不安の声が上がっていたため」と説明した。
 市議会は2月定例会で御前崎地区の幼保こども園3園を再編統合し、民設民営の新設こども園の開園に向けて関連予算700万円を議決したが、河原崎氏は「5月になって一般住民から世間話の中で不安の声を聞いた」と強調した。予算可決後、市は予定通り計画を進めていたが、事業者公募を開始する直前の5月31日、水面下で河原崎氏が市議6人を率いて柳沢重夫市長にスケジュールの延期や運営方法の見直し検討を要望した。
 委員から、計画に問題点があれば、予算の議決前に指摘すべきだったのではないかと問われた河原崎氏は「(2月定例会の時は)計画自体をあまり深く考えていなかった」と釈明した。事業参入を狙う特定業者から働きかけがあったのではないかとの指摘に対しては否定した。
 他に参考人招致を受けた桜井勝氏と植田浩之氏は、「河原崎議員から連絡を受けて住民不安の声があると聞いた」と明かした。
 調査特別委は同日までに全9回開いた。阿南澄男委員長は「真相が明らかになるまで調査を続ける」との方針を示した。
 (御前崎支局・市川幹人)

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