新基幹産業 創出へ 産学官民 意見共有 藤枝市、総合戦略懇話会

 藤枝市は8日、市デジタル田園都市総合戦略の策定に向けた懇話会を市役所で開いた。政府のデジタル田園都市国家構想に基づき、「第2期ふじえだ健康都市創生総合戦略(藤枝市まち・ひと・しごと創生総合戦略)」を改訂し、幅広い分野の意見を聴取するために設置した。自治会や経済界、大学、金融機関、デジタル分野の有識者ら約30人が出席し、新基幹産業の創出へ考えを共有した。

新基幹産業の創出へ意見を共有した懇話会=藤枝市役所
新基幹産業の創出へ意見を共有した懇話会=藤枝市役所

 懇話会の会長に静岡産業大の堀川知広学長を選出した後、事務局は現在の創生総合戦略の評価と検証を報告した。少子高齢化と人口減少が進む中、所得水準の向上や産業の高付加価値化、産業まちづくりと一体的な交流人口の誘導を課題に挙げた。
 2027年度までの5カ年の新総合戦略骨子案を示し、地域ビジョンを設定すると紹介。食と農や健康・予防施策、高度医療の提供など集積の強みを掛け合わせた「“食と農×健康・医療”を核とした産学官共創都市」を新たな地域成長戦略に位置付け、新基幹産業の創出や中核拠点となるスマートシティの形成を提案した。
 委員からは人口減少の根本的な原因を分析するべきという指摘や、産学官民の連携強化、交流人口の拡大に向けて文化と歴史が豊富な旧東海道や旧市街地、スポーツの活用を求める意見があった。
 市は懇話会の意見を参考に策定作業を進め、10月をめどに総合戦略案を提示する。パブリックコメントを経て24年1月に公表し、24年度から具体事業に本格着手する方針。
 (藤枝支局・青木功太)

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