小学校教諭の算数授業支援 元大学教授の研究会、22年で書籍発刊
子どもの問いを始点とした算数の授業づくりを目指す有志の小学校教諭の研究会「おかもと塾」の230回突破と書籍発刊を記念した祝賀会が12日、静岡市葵区で開かれた。塾長で静岡大と常葉大の元教授の岡本光司さん(85)と、塾生の現役教諭ら計13人が歩みを振り返った。
開塾は2001年。静岡大教授を退官した岡本さんの元に、県内各地の小学校教諭となった教え子たちが、算数の授業研究の場を設けてほしいと相談したのがきっかけ。これまで毎月、岡本さんが同市内の自宅で数学教育学の理論を紹介し、塾生たちは塾での学びに基づいて学校現場で授業を展開してきた。
必ず自身の授業記録や授業案を持ち寄ることなどを意味する「手ぶらで来ない、手ぶらで帰らない」など同塾7カ条を軸に、塾生は発表や討議を行ってきた。
祝賀会では「教材の本質は何かと自分なりに考え抜くようになった」「子どもの素朴な問いを引き出し、それを組み込んだ授業ができるようになった」など塾生一人一人が学びの成果を披露し合い、今後の研さんも誓った。岡本塾長は、塾生が若手から中堅教諭となった22年間を振り返り「これまでの学びと授業実践に胸を張ってほしい」とエールを送った。
塾生の授業実践や歩みをまとめた書籍「子どもの『問い』を生かす算数授業」は20日に発売する。発売元は静岡新聞社。税込み2200円。
(教育文化部・鈴木美晴)