浜松市、脱炭素加速へ組織〝衣替え〟 「スマートシティ」から官民連携組織を発展的に

 2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルの実現に向け、浜松市は本年度、官民連携のプラットフォームとして15年度から活動してきた「市スマートシティ推進協議会」を「市カーボンニュートラル推進協議会」に発展的に衣替えし、脱炭素の取り組みをさらに加速させる。

浜松市役所
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 エネルギーの最適利用による低炭素社会の実現などに重点を置いたスマートシティ推進協の取り組みに、脱炭素や、脱炭素に伴う企業成長などの事業を追加・強化する。脱炭素関連技術の情報収集や研究会、脱炭素化に向けた会員企業への支援、分野横断的なモデル事業の構築、実証・実装事業の推進などを行う。市スマートシティ推進協の会員は市内外の事業者や研究機関、金融機関など194社(22年度末)で、大半が継続して参加する見込み。
 このほかにも、市は本年度、浜松商工会議所や地域の金融機関などと連携し、中小企業の脱炭素化を支援するコンソーシアムを発足させ、資金や人材面で脱炭素化に二の足を踏んでいる中小企業を地域ぐるみで支える体制も整える計画。
 市カーボンニュートラル推進事業本部の担当者は「会員企業と新しいプロジェクトをつくり、地域の脱炭素化と経済発展の両立につなげていきたい」と話している。
 (浜松総局・宮崎浩一)
キックオフ講演 来月12日に浜松市中区で  浜松市は9月12日午後2時から、市カーボンニュートラル推進協議会のキックオフ・フォーラムを中区のホテルクラウンパレス浜松で開く。参加無料。
 同協議会顧問の柏木孝夫電気通信大客員教授と日本製鉄顧問の中井徳太郎前環境事務次官が講演するほか、スズキの松本利昭操業管理部長、中野祐介浜松市長を交えたパネルディスカッションを行う。事務局の市側が協議会の運営方針なども説明する。
 定員は先着150人で、誰でも参加できる。締め切りは9月7日。市ホームページなどから申し込める。
 問い合わせは市カーボンニュートラル推進事業本部<電053(457)2502>へ。

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