女子50自由形 鈴木(飛龍)悔しい7位、女王の座届かず 全国高校総体競泳
北海道を中心に行われている全国高校総体(インターハイ)は18日、江別市で競泳第2日が開催され、県勢は女子50メートル自由形で鈴木月渚(飛龍)が優勝を狙ったが、26秒12で7位に終わった。男子200メートル自由形は鈴木麻央(浜松商)が1分52秒60で8位入賞した。9~16位決定戦には5人が進み、男子は50メートル自由形の松田隼人(静岡市立)が10位、200メートル自由形の増田莉蔵(浜松市立)が11位、100メートル背泳ぎの奥大輝(飛龍)が14位、200メートルバタフライの太箸隼翔(浜松商)が16位、女子は100メートル背泳ぎの中島芽郁(日大三島)が12位だった。
男子1500メートル自由形と女子800メートル自由形の予選も行われ、前日に男子400メートル自由形を制した大木優瑠(飛龍)と、高遥香(城南静岡)、佐藤麗(飛龍)が19日の決勝進出を決めた。
【男子】
▽50メートル自由形決勝 ①松井理宇(東京・日大豊山)23秒19②会田(埼玉・春日部共栄)23秒32③東方(石川・金沢)23秒38
▽200メートル自由形決勝 ①村佐達也(愛知・中京大中京)1分49秒18②桐山(東京・立教池袋)1分50秒04③小林(東京・日大豊山)1分50秒80⑧鈴木麻央(浜松商)1分52秒60
▽100メートル背泳ぎ決勝 ①小東真皓(大阪・四條畷学園)55秒51②西村(神奈川・湘南工大付)55秒54③佐藤(大阪・太成学院大高)55秒67
▽200メートルバタフライ決勝 ①川野博大(埼玉・武南)1分58秒49②仲光(熊本・九州学院)1分59秒26③河野(北海道・札幌東)1分59秒66
【女子】
▽50メートル自由形決勝 ①溝口歩優(神奈川・日大藤沢)25秒73②大嶋千(大阪・四條畷学園)25秒77③鈴木(東京・八王子学園八王子)25秒87⑦鈴木月渚(飛龍)26秒12
▽200メートル自由形決勝 ①竹沢瑠珂(東京・武蔵野)1分59秒79②伊東(千葉・昭和学院)2分0秒01③福岡(東京・武蔵野)2分1秒34
▽100メートル背泳ぎ決勝 ①長岡愛海(山形・山形商)1分1秒01②佐々木(埼玉・春日部共栄)1分1秒75③山本(神奈川・日大藤沢)1分1秒95
▽200メートルバタフライ決勝 ①牟田楓(福岡・福岡大若葉)2分12秒29②会沢(埼玉・春日部共栄)2分13秒19③関根倖(埼玉・春日部共栄)2分13秒35
県勢の予選成績 【男子】
▽50メートル自由形予選 ⑬松田隼人(静岡市立)23秒77=9~16位決定戦へ(28)花村優輝(三島北)24秒17=落選
▽同9~16位決定戦 ⑩松田隼人(静岡市立)23秒42
▽200メートル自由形予選 ⑧鈴木麻央(浜松商)1分51秒44=決勝進出⑩増田莉蔵(浜松市立)1分51秒50=9~16位決定戦へ⑱鈴木颯(新居)1分52秒76=落選
▽同9~16位決定戦 ⑪増田莉蔵(浜松市立)1分52秒24
▽1500メートル自由形予選 ④大木優瑠(飛龍)15分36秒15=決勝進出
▽100メートル背泳ぎ予選 ⑮奥大輝(飛龍)57秒70=9~16位決定戦へ
▽同9~16位決定戦 ⑭奥大輝(飛龍)58秒14
▽200メートルバタフライ予選 ⑯太箸隼翔(浜松商)2分3秒43=9~16位決定戦へ
▽同9~16位決定戦 ⑯太箸隼翔(浜松商)2分4秒43
【女子】
▽50メートル自由形予選 ⑤鈴木月渚(飛龍)26秒14=決勝進出(36)野崎由夏(飛龍)27秒28=落選
▽200メートル自由形予選 (43)山口愛華(飛龍)2分8秒22=落選
▽800メートル自由形予選 ③高遥香(城南静岡)8分51秒54⑤佐藤麗(飛龍)8分54秒72=以上決勝進出
▽100メートル背泳ぎ予選 ⑩中島芽郁(日大三島)1分3秒60=9~16位決定戦へ(25)宮津優羽(浜名)1分5秒08=落選
▽同9~16位決定戦 ⑫中島芽郁(日大三島)1分3秒99
▽200メートルバタフライ予選 (32)山村咲瑛(浜松商)2分19秒45(34)山内美紅(静岡市立)2分20秒08=以上落選
9~16位決定戦 県勢の一言 男子200メートル自由形11位の増田(浜松市立)
「後半にギアを上げられなかった。去年2年生で5位に入った種目でA決勝に残れず残念だったが、100メートルで入賞を狙いたい」
女子100メートル背泳ぎ12位の中島(日大三島)
「予選より決勝の方が出来が良かったが、納得いかない。前半の入りが課題。400メートルメドレーリレーに悔しさをぶつけたい」
男子100メートル背泳ぎ14位の奥(飛龍)
「調子は良かったがタイムが出なかった。水が手に引っかからずプールが長く感じた。次の全国大会までに適応力を上げたい」
男子200メートルバタフライ16位の太箸(浜松商)
「周りの強い選手に食らいつこうとしたが、緊張があった。1年生で全国決勝を泳げた経験は大きい。次は平常心で臨みたい」
女王の座 またも届かず 悲願の高校最速女王の座は、3度目の挑戦でも届かなかった。女子50メートル自由形で金メダルを狙った鈴木(飛龍)はスタートがはまらず7位。「何でだろう。あっけなくて悔しい」と苦笑いした。
同種目で高校1年の時3位、2年で5位。今季は県総体、東海総体、県選手権と25秒台を続けて県高校記録を泳ぐたびに更新し、「今度こそ」と意気込んで北海道に乗り込んだ。
施設全体が狭くプールと観客席が近い会場で、「大舞台は怖い。雰囲気にのまれ、勝手に力が入ってしまった」。予選は26秒14で5位タイ。「息継ぎを修正すれば、25秒台前半が出る」と決勝に臨んだが、「スタートから浮き上がった時点で前に出ることができなかった」と26秒12どまり。ゴールすると天を仰いだ。
「冬場に練習を積んできたことが、高校最後の夏に出せなかった」と唇をかんだが、まだ100メートル自由形と800メートルリレーが残っている。「大学では日本選手権で活躍する選手になりたい。このレベルでは戦えない」。次の種目に向け、決意を新たにした。(寺田拓馬)
男子200自由形 鈴木(浜松商)8位入賞「うれしさと情けなさと」 三度目の正直で決勝に進んだが、男子200メートル自由形で8位入賞した鈴木(浜松商)は「うれしさの一方で情けなさがある」と複雑な表情を見せた。
前日の400メートルは自己ベストを更新したが、予選9位で決勝を逃した。去年の全国総体200メートルも予選9位。この日午前中の200メートル予選で8位通過を知ると「おっしゃあ」と大きな声を上げた。
念願の決勝レースは前半から飛ばそうと意気込んだが、「飛び込んだ時から予選と感覚が違った」と泳ぎがはまらなかった。
中間も力んでペースが上がらず予選より記録を落とし、「今までの試合では予選より決勝のタイムが必ず上回っていたのに。(決勝に)出ただけで終わってしまった」と唇をかんだ。
全国総体での個人種目を終え、既に目線は来週の全国ジュニア五輪、秋の国体に向いている。「前半から突っ込み、ラストで勝ちきる強さを身につけたい」。この日の教訓をこの先の競泳人生で生かす。
緊張で力出せず 男子50自由形 松田(静岡市立)10位 全国ランキング上位でメダルを期待された男子50メートル自由形の松田(静岡市立)は全体10位に終わった。「緊張して全国舞台の雰囲気にのまれてしまった」。力を出し切れず、唇をかみしめた。
予選は集中しすぎて「呼吸するタイミングを忘れてしまった」と自己ベストに遠く及ばず、A決勝進出を逃した。
気持ちを切り替えたB決勝はスタートこそやや遅れたが、193センチの長身を生かした大きなストロークで泳ぎ切った。中学時代は無名で高校3年になって急成長した“遅咲き”の大型スイマーは「結果には満足できない。悔しさを忘れず競技を続けたい」と前を向いた。