点字歌詞でカラオケを 藤枝光文庫、高校生と大学生が40曲 全国の施設に寄贈

 藤枝市音羽町のNPO法人藤枝光文庫(石神利之理事長)はこのほど、大学生と高校生ボランティアの協力で点字の歌詞集100冊を完成させ、全国の盲学校や県内の障害者福祉施設などに寄贈した。

点字の歌詞集を完成させた大学生と高校生=藤枝市音羽町の藤枝光文庫
点字の歌詞集を完成させた大学生と高校生=藤枝市音羽町の藤枝光文庫


 歌詞集の題名は「ヒットソング40 2023」でB5判127ページ。静岡福祉大の学生と藤枝順心高、焼津中央高の生徒計7人が製作に携わった。
 学生らは7月下旬から夏休みを利用し、意見を出し合って最近の流行曲や昭和、平成の名曲など40曲を収めた。点字で表現しにくい英単語が少ない曲を選ぶ工夫もした。石神理事長の指導を受けながら、歌詞や曲名、歌手名をパソコンで打ち込み、点字プリンターで印刷して製本。8月下旬に宛名書きや梱包(こんぽう)作業も行った。
 石神理事長によると、視覚障害者に歌詞を使って歌を楽しんでもらいたいと、活動を20年以上前から続け、寄贈先からは好評を得ているという。例年は30曲だったが、関係者からの要望や好評を踏まえ、今年は10曲を追加した。
 静岡福祉大1年の市川季花さん(18)は「幅広い世代が分かるような曲を選んだ。カラオケで歌詞集を持ち込んで楽しんでほしい」と思いを込めた。石神理事長は「好評なのが活動を続ける原動力の一つ。今後もできるだけ幅広く選曲したい」と話した。
 同NPOは1981年に設立。点訳者の養成や点字図書の製作などに取り組んでいる。
 (藤枝支局・青木功太)

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