お茶染め体験「完成楽しみ」 駿府の工房匠宿で体験、9月末完成へ

 静岡市駿河区の伝統工芸体験施設「駿府の工房 匠宿」で2日、商品にならない茶葉を再利用した「お茶染め」の体験会が始まった。5回の講座を通して、参加者が持参した衣類を県内産茶葉を染料に使い、染め直しの全工程を体験する。

講師の鷲巣さん(左)と下染めの作業を体験する受講者=静岡市駿河区の「駿府の工房 匠宿」
講師の鷲巣さん(左)と下染めの作業を体験する受講者=静岡市駿河区の「駿府の工房 匠宿」

 葵区の市藁科生涯学習センターが主催し、伝統工芸「駿河和染」の職人で自身が発案したお茶染めの普及に努める葵区の鷲巣恭一郎さん(43)が講師を務めた。初回は、受講者12人が茶葉を煮出して作った染料に下処理後の衣類を漬け、染織棒でかき混ぜる「下染め」の工程まで取り組んだ。綿素材のシャツを持参した八田真代さん(25)=同市駿河区=は「貴重な経験ができた。お茶染めの色でシャツを好きな模様に仕上げたい」と話した。
 次回から本染めや柄入れの工程に入り、9月末の完成を見込む。講師の鷲巣さんは「体験を通してお茶染めに興味を持ってもらえれば」と話した。
 (社会部・鈴木紫陽)

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