記者コラム「清流」 ネットのあるべき姿

 タレントryuchell(りゅうちぇる)さんの訃報から約2カ月がたつ。テレビや講演会などで、多様性や個性を尊重する大切さを積極的に発信するりゅうちぇるさんは、若者を中心に人気だっただけに、社会に大きな衝撃を与えた。
 本人へのSNSでの誹謗(ひぼう)中傷が問題視された。昨年の離婚公表とカミングアウト、女性的な外見に変化したことを皮切りに、昨今のトランスジェンダーへの攻撃的な投稿も相まって中傷は過激さを増した。SNSでは、面白おかしく取り上げてきた報道への非難もあった。責任転嫁のような発言は看過できないが、ネット報道のあり方を再考すべきとも感じた。
 9月から浜松を離れ、本社デジタル編集部に異動した。報道の未来を考えるとともに、ネットのあるべき姿を考えながら励みたい。
(金沢元気)

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