生成AIを学校現場で使うのはあり?③ チャットGPTに記事を書かせてみた【賛否万論】

 近年急速に進化を遂げる生成AI。教育現場での新しいツールとして注目される一方、どのように使えば良いのか分からない教育者も多いでしょう。1、2回目は生成AIの基本的な仕組みや情報モラルについて有識者に聞きました。多くの学校関係者が未体験のこの技術ですが、学校の授業や活動に取り入れることができるのでしょうか。3回目は具体的な活用事例を紹介し、賛否を議論する材料にしてもらいます。
 ※この記事の文章と見出しは、上のリード文も含めて、記者がチャットGPTを使って作成しました。
AI記者が紡ぐ教育の未来  ■生成AIでの読書感想文の挑戦
 読書感想文は学校教育の一環として、多くの児童生徒が経験する課題です。オープンAIのチャットGPTを活用すると、読書感想文の生成が可能になるかもしれません(※文部科学省のガイドラインによると、チャットGPTは13歳以上、18歳未満は保護者同意が必要)。日本の昔話「桃太郎」を題材に、その可能性を追求しました。

 ■プロンプトの工夫
 生成AIへの指示は「プロンプト」と呼ばれる命令文で与えられます。このプロンプトの工夫次第で、出力内容の質や方向性が大きく変わります。今回の「桃太郎」の感想文生成の際、初めに「良い読書感想文」の定義やAI自身の「桃太郎」に対する気付きを問いました。具体的には、以下のプロンプトを使用しました。
 1.あなたが考える「良い」「優れた」読書感想文とは、どういうものですか?
 2.あなた自身は昔話「桃太郎」を読んで、どのような気付きを得ましたか? 自分のこれまでの考え方にどのような影響を与えましたか?
 3.以上のあなたの見解を元にして、先ほどあなたが答えた「良い読書感想文」の九つの特徴や要素を考慮し、あなた自身の読書感想文を作成してみてください。
 4.内容を変えず、小学5年生風に少し修正して書き直してください。ですます調のままでお願いします。
 これらのプロンプトを元に、出力を洗練し、子供らしい言葉遣いや視点を取り入れるよう指示しました。 photo03 作成した読書感想文
 ■生成AIの教育現場での活用可能性
 チャットGPTは文章生成能力が高いことで知られ、教育現場においても、その活用の可能性が注目されています。本記事では、生成AIを教育の場でどのように使うことができるのか、具体的な方法とその効果、注意点について考察します。
 ■グループ学習でのチャットGPT活用
 議論の活性化には、さまざまな視点や予想外の意見が必要です。チャットGPTは、普段生徒たちが考えにくいような新しい視点を提供して、議論を刺激する役割を果たすことができます。 photo03 道徳の授業での活用例
 ■国や自治体から学校への通知の要約
 生成AIの教育利用に関する文部科学省のガイドラインをチャットGPTで簡潔に要約します。
▽生成AIの教育利用の方向性
・学習指導要領は情報活用能力を強調。生成AIの理解と活用が求められる。
・生成AIの利点とリスクを十分理解し、限定的な利用から開始が推奨。
・教育現場でのデジタルとリアルのバランスを維持することが重要。

▽生成AIの活用の賛否
・情報モラルが不十分な段階や感性を発揮させる場面での安易な利用は避ける。
・生成AIの誤りを教材として利用や言語学習のサポートとして活用が推奨される。


 簡単に言うと、生成AIの教育現場での利用は、情報活用能力の向上とリスクの理解の上で、適切な場面での活用が重要とされています。
 ■AI利用時の注意点
 教育現場で生成AIを活用するにあたり、オリジナリティーの維持は必須です。AIが生成した内容をそのまま使用するのではなく、自分の考えや意見を加えてオリジナリティーを保つことが大切です。また、AIの提供する答えをうのみにしないよう、他の情報源との照らし合わせを怠らず、情報の正確性を確認しましょう。そして、生成AIの利用に際しては、情報モラルを守り、他人の著作権やプライバシーの尊重が欠かせません。
 ■まとめ
 生成AIの活用は教育現場においても大きな可能性を秘めています。この記事を通じて、教育現場での生成AIの効果的な利用方法や注意点について理解してもらえれば幸いです。
 何度も指示し修正 面白みはない文章 リアル記者 コラム ※このエリアは、チャットGPTを使用していません
 読者のみなさん、チャットGPTで作成した今回の記事はいかがでしたか。※印部分の追加や文中「てにをは」の修正、道徳授業の事例と文科省ガイドライン要約の事例の挿入作業以外は、チャットGPTに指示して作りました。生成AIがここまで記事を書けるのかと驚くと同時に、刺激がなく面白みはない文章だという印象も持ちました。
 AI記事の作成者として感じたのは、頭の使い方が今まで自分で記事を作成していた時とはずいぶん違うということでした。完成形の記事をまず明確にイメージし、それに近づけるためにどんなプロンプト(指示文)が必要になるのかを考えました。何度も指示を繰り返しながら修正、調整していく「指示力」が求められました。例えると、仕事がまだよく分からない新入社員に指示を与えていく感覚でしょうか。
 チャットGPTを使い始めた当初は正しい回答が出てくるのかを重視し、グーグルなどの検索機能の延長線上として捉えていました。だから、プロンプトを1度入力して回答が間違っていることが分かると「使いものにならない」と使用を一時やめていました。
 しかし、チャットGPTが本領を発揮するのは情報検索というよりも、何度も修正して内容を改良できる点。質の高いAI記事にするにはそれなりの労力が必要です。一方、記事に限らず文章作成の「型」ができれば、テーマを変えて応用も効きます。学校の教職員が小テストや教材などの文章を作成する時にも当てはまると想像しました。
 (社会部・大橋弘典)

 次週の賛否万論は同じテーマで有識者インタビュー  ご意見お寄せください  チャットGPTをはじめとする生成AIに関して、学校現場や授業で積極的に使うべきなのか、慎重に取り扱うべきなのか、あなたはどう考えますか。情報技術の進歩を踏まえた将来の学校教育の在り方も含めて、幅広い視点の投稿をお待ちしています。
 宛先は〒422―8670(住所不要) 静岡新聞社編集局「賛否万論」係、<ファクス054(284)9348>、<Eメールshakaibu@shizuokaonline.com>

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