記者コラム「清流」 20人からのメッセージ

 浜松市役所1階ロビーに並ぶ20体の人形パネル。無免許や飲酒、危険運転など違法ドライバーの犠牲になった死者20人の等身大で、本人の写真や生前はいていた靴、遺族の悲痛なメッセージが添えられている。
 「生命(いのち)のメッセージ展」と題した企画で、13日までの期間中は多くの来庁者が足を止めて、パネルに見入っていた。
 県警や自治体のハード、ソフト両面の対策によって近年、全国で事故件数は減少傾向にある。車の安全技術の進歩などもあり、重大事故の減少も期待される。
 だが、最後に重要なのは個人の交通安全意識だ。浜松市は2022年、人口10万人当たりの人身交通事故件数が政令市で14年連続最多を記録した。事故の悲惨さや命の大切さを訴える「20人」の声が、少しでも伝わってくれればと思う。
 (浜松総局・宮崎浩一)

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