静岡人インタビュー「この人」 性の多様性啓発に取り組む専門職員 天草美樹さん(島田市)
島田市でジェンダー平等などの理解促進に向け、行政や市民、関係団体と連携して業務に当たる。静岡県が開始した性的少数者などのカップルを公的に認める「パートナーシップ宣誓制度」に合わせ、会計年度任用職員として3月から、市役所で勤務している。任期は3年間の予定。地方創生の実現などに向けた総務省の「地域プロジェクトマネージャー制度」を活用して採用した。愛知県半田市出身。26歳。
―半年間で取り組んできたことは。
「まずは多様性に関する職員向けガイドライン作りに力を入れてきた。知識を詰め込むのではなく、地域の声を反映させ、手に取ってもらえる島田らしいガイドラインにしたい。性の多様性やジェンダー平等について広く市民に知ってもらうため、FM島田のラジオ番組にも月1回出演している。各課職員でつくる職場内グループでは、LGBTQへの理解を深める活動もしている」
―応募のきっかけは。
「大学で社会福祉を専攻し、マイノリティー支援などを学んだ。近年LGBTQに関する機運が社会で高まってきたこともあり、何か行動に移そうと思い応募した。専門性を生かしたい」
―島田市の現状は。
「まだまだ当事者の姿は見えづらいが、当事者の気持ちを尊重しながら、市民に正しい知識を広く浸透させたい。草の根で活動し、継続して啓発していくことが重要」
―今後取り組みたいことは。
「1年目は土台づくりの年として、庁内発信に力を入れつつ、広く市民に自分の存在を知ってもらいたい。長期的にはLGBTQを糸口にまちづくりや地域活性化に力を入れたい」
(島田支局・寺田将人)