⚽黄金の左足「J1復帰のミッション」実行へ ジュビロ磐田/DFリカルドグラッサ【しずスポ】
J2磐田のDFリカルドグラッサ(26)が攻守の要としてチームのJ1昇格に欠かせない存在となっている。2021年東京五輪ブラジル代表として金メダルメンバーとなった来日2年目の助っ人は「まだ磐田をJ1に戻すミッションが残っている」。9日の大宮戦では劇的な逆転ゴールも決めた。ブラジル代表「セレソン」への夢を追いながら、黄金の左足でチームをあるべき場所に押し上げる。
「成功の証し」求めて ブラジル代表の夢追う
2年前の夏、東京五輪で来日。この時、日本の環境や国民性に魅せられ、その後の磐田入りを決めた。五輪本大会では出番はなかったが、南米予選のアルゼンチン戦では3-0の快勝に貢献した。「セレソンはプロとしての成功の証し」とメンバー入りに涙を流して喜んだという。
5歳からサッカースクールに通い本格的に競技を始めた。12歳の時、後にプロデビューすることになる名門バスコ・ダ・ガマの下部組織入り。知り合いから「左利きのセンターバックを募集している」という話を聞き、狭き門を突破した。ACミランやレアル・マドリードで活躍したMFカカが大好きな少年だったが、守備の奥深さにのめり込んだ。 ポジショニング「神出鬼没」
磐田でも絶体絶命と思われたゴール前のピンチを救ったのは、数え切れない。先を読んだ神出鬼没のポジショニングは真骨頂。「相手のシュートを止めればいいが、間に合わなければGKをカバーするだけ」と明快だ。同じセンターバックで24年パリ五輪を目指す鈴木海音(磐田ユース出)とも意思疎通を図り助言を送る。
2日の秋田戦でも左足からビッグチャンスを演出した。試合最終盤のラストプレー。最後列から放たれたロングフィードは一気に前線の味方へぴたり。FW後藤啓介(磐田ユース出)がゴールを決めれていれば、勝ち越しの場面だった。「普段の練習から味方の動きを見て正確に蹴る」とさらりと言った。
正確なキックと対人の強さはJ2屈指。J1でも通用すると評価を受ける。「自分に与えられている課題はJ1への復帰。成功したらJ1でタイトルを取ること。セレソンへの夢を持ちながら」
(運動部・名倉正和)
1997年2月16日生まれ。ブラジル・リオデジャネイロ市出身。12歳でブラジルの名門バスコ・ダ・ガマの下部組織入り。2018年に今季途中までJ2清水を率いたゼ・リカルド監督のもと、トップチームでプロデビューを果たした。昨季はJ1で22試合に出場。26歳。