鹿児島国体・競泳が開幕 静岡県勢は松本2位、望月3位 伊藤4位

 鹿児島国体は22日、鹿児島市で競泳が開幕した。静岡県勢は成年男子200メートル個人メドレーで松本周也(ひまわりネットワーク、伊東高出)が自己記録に迫る1分58秒77で2位に食い込んだ。優勝が期待された成年女子400メートル自由形の望月絹子(鈴与)は4分12秒17で3位に終わった。成年女子200メートル個人メドレーの伊藤亜香利(神奈川大2年、磐田農高出)は4位。少年男子B400メートルリレーは5位に入り、少年男子A800メートルリレーも6位入賞を果たした。
成年男子200メートル個人メドレー決勝 1分58秒77で2位になった松本周也の平泳ぎ=鴨池公園水泳プール(写真部・小糸恵介)
松本、自己ベストに迫る 平泳ぎ課題克服に決意
 昨年の日本学生選手権で出した自己記録に迫る1分58秒77で2位に食い込んだが、「調子が悪い中でまずまずのタイム。でもまだ足りない」。成年男子200メートル個人メドレーの松本は自身の課題を直視した。
 アジア大会でトップ選手が出場しない中、「ベストを更新して優勝」と目標を定め鹿児島に乗り込んだ。前半のバタフライと背泳ぎを終えたとことで2位を1秒近くリードしたが、苦手の平泳ぎでトップの座を明け渡すと、自由形での懸命の追い上げも届かなかった。
成年男子200メートル個人メドレー決勝 掲示板で順位を確認し、右手で2位を表す松本周也=鴨池公園水泳プール(写真部・小糸恵介)
 平泳ぎは以前からの課題で練習から重点的に取り組むが、「平泳ぎだけ泳いだ時のタイムは伸びている。背泳ぎからのつなぎがうまくいかない」と自己分析する。
 「ブレスト(平泳ぎ)以外は完璧」と豪語するように、バタフライ、背泳ぎ、自由形は世界で戦う実力を持つ。来年のパリ五輪切符をつかむため「平泳ぎで1秒以上縮めないと現実味がない。今の自分を見つめ、成長したい」。社会人1年目で環境が変わった中で自覚を深め、自らを奮い立たせる。

望月、悔しい銅メダル 不調脱しきれず
成年女子400メートル自由形決勝 4分12秒17で3位になった望月絹子=鴨池公園水泳プール(写真部・小糸恵介)  静岡の成年女子のエース望月は力を出し切れず、400メートル自由形で3位に終わった。「自分弱いな」。レースを振り返ると、思わず涙があふれた。
 「感覚より1秒早かった」と予選は好感触を得てトップ通過。「4分10秒台を狙う」と意気込んで決勝に臨んだが、前半からタイムが伸びず後半の追い上げも効かなかった。
 7月の世界水泳で初めて日本代表に選ばれ800メートルリレーに出場したが、9位で予選落ち。「どん底に落ちた」。泳ぎだけじゃなくメンタル面でも不安を拭い去れずにいる。
成年女子400メートル自由形で3位になり、表彰式で声援に応える望月絹子=鴨池公園水泳プール(写真部・小糸恵介)
 400メートルの自己記録は2020年の日本選手権で出した4分8秒43。「勢いで出たタイムで価値がない」と切り捨て、「記録を狙ってからうまくいかないが、次に出すベストこそ価値がある」と前を向く。
 目標は来年のパリ五輪で今は我慢の時。「一からやり直し、育ててくれた静岡に感謝の気持ちを伝えたい」。憧れの舞台に立つイメージを描き、不調を脱出する決意を固めた。

 伊藤 後半粘れず4位
成年女子200メートル個人メドレー決勝 バタフライで力泳する伊藤亜香利=鴨池公園水泳プール(写真部・小糸恵介)
 成年女子200メートル個人メドレーの伊藤は後半粘れず4位。「前半は想定内だったが、最後はきつかった」と苦笑した。
 バタフライで4位につけると得意の背泳ぎで2位に上がった。しかし、課題の平泳ぎで順位を落とすと「全国で勝負できる」と自信を深めた自由形でも挽回できなかった。
成年女子200メートル個人メドレー決勝 背泳ぎで力泳する伊藤亜香利=鴨池公園水泳プール(写真部・小糸恵介)
 ただ、予選決勝とも2分16秒台をそろえ手応えはつかんだ。パリ五輪の選考会は200メートル背泳ぎで出場予定。「レベルアップし、決勝まで進みたい」と目標を見定めた。

 鹿児島国体 入賞者コメント
 5位入賞した少年男子B400メートルリレーでアンカーを務めた斎藤(浜松商高1年)の話 7位でスタートし、何が何でも順位を上げようと思った。応援を受けて心が高揚し、自己ベストが出た。あす以降の出場種目に勢いをつなぎたい。
少年男子B400メートルリレー決勝 5位でフィニッシュしたアンカー斎藤(下)と(左から)鈴木、太箸、柴田の静岡チーム=鴨池公園水泳プール(写真部・小糸恵介)
 少年男子A800メートルリレーで6位入賞に貢献した大木(飛龍高3年)の話 予選は気持ちよくスピードに乗れたが、決勝は力んで後半思うように伸ばせなかった。明後日の400メートル自由形は全国高校総体、JOCジュニアオリンピックで勝っているので、全国3冠を目指したい。
少年男子A800メートルリレー決勝 6位の静岡チーム。アンカー大木(下)をねぎらう増田と(左上から)鈴木、奥=鴨池公園水泳プール(写真部・小糸恵介)

 ■静岡県勢の予選記録
 【成年男子】
 ▽100メートルバタフライ予選 ⑰松葉柊哉(中京大)54秒44=落選
 ▽200メートル個人メドレー予選 ③松本周也(ひまわりNW)2分0秒30=決勝進出
 【成年女子】
 ▽400メートル自由形予選 ①望月絹子(鈴与)4分14秒66=決勝進出
 ▽200メートル個人メドレー予選 ②伊藤亜香利(神奈川大)2分16秒66=決勝進出
 【少年男子A】
 ▽200メートル背泳ぎ予選 奥大輝(飛龍高)=棄権
 ▽200メートル平泳ぎ予選 ⑰宮崎海里(浜松商高)2分20秒56=落選
 ▽800メートルリレー予選 ⑤静岡(鈴木麻、増田、奥、大木)7分30秒82=決勝進出
 【少年男子B】
 ▽100メートル自由形予選 ⑨鈴木颯(新居高)52秒43=落選
 ▽100メートルバタフライ予選 ⑭太箸隼翔(浜松商高)56秒18=落選
 ▽400メートルリレー予選 ④静岡(鈴木颯、柴田、太箸、斎藤)3分30秒45=決勝進出
 【少年女子A】
 ▽200メートル背泳ぎ予選 ⑩中島芽郁(日大三島高)2分17秒22=落選
 ▽400メートルリレー予選 ⑩静岡(鈴木月、中島、山口、高)3分52秒42=落選
 【少年女子B】
 ▽100メートル自由形予選 ⑩戸塚日南子(伊東南中)58秒18=落選
 ▽100メートルバタフライ予選 ⑫妹尾順華(小山高)1分2秒94=落選
 ▽400メートルリレー予選 ⑨静岡(戸塚、野崎、上原、鈴木杏)3分54秒26=落選

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