アートや文化で共生社会実現を 浜松・中区でシンポジウム

 浜松市や浜松国際交流協会(HICE)などでつくる浜松多文化創造活動促進事業実行委員会はこのほど、アートや文化芸術を通じて外国人との共生を目指すシンポジウムを中区のアクトシティ浜松で開いた。多文化共生に関心をもつ県内外の関係者約60人が研究者による事例発表やパネルディスカッションに耳を傾けた。

アートや文化芸術を通じた共生社会の実現に向けたシンポジウムを行う登壇者=浜松市中区のアクトシティ浜松
アートや文化芸術を通じた共生社会の実現に向けたシンポジウムを行う登壇者=浜松市中区のアクトシティ浜松

 芸術社会学アートマネジメント論・文化政策論を専門とする静岡文化芸術大の南田明美講師をはじめ5人が登壇した。南田講師はシンガポールの移民の歴史や社会資本形成に向けたコミュニティ・アート運動などを紹介。同国は民族調和を祝い、毎年7月21日を「レイシャルハーモニーデー」に制定し、互いの伝統的な遊びを体験したり、老若男女が集うドラムの演奏サークルで交流を深めたりしているといい、「違いを認めるだけでなく、互いの文化に触れ合うことが重要」と話した。
 市は2017年に、多文化共生に取り組む都市でつくる欧州評議会の「インターカルチュラル・シティ(ICC)ネットワーク」に加盟。シンポジウムはアート活動を中心に新たな視点で外国人との共生の取り組みを考えようと実施した。
 (浜松総局・小林千菜美)

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞