オール浜松で人口減対策 「元気なまち」基本方針 24年度市戦略計画

 浜松市の中野祐介市長は25日の定例記者会見で、2024年度の重点施策の方向性を示す「市戦略計画の基本方針」を発表した。基本方針には「元気なまち・浜松の実現」を掲げ、あらゆる施策を総合的に展開するとともに、市、市民、地域、企業の総力を合わせた「オール浜松」の体制で人口減少に歯止めをかけ、誰もが活躍し、住み続けたいと思い、幸福を実感できるまちを目指す。

浜松市役所
浜松市役所

 戦略計画は市の基本構想「市未来ビジョン」(計画期間15~44年度)の実現に向けた単年度の実施計画。24年度も産業・経済、子育て・教育、安全・安心・快適、環境・エネルギー、健康・福祉、文化・生涯学習、地方自治・都市経営の7分野ごとに、基本政策と具体的取り組みを示した。
 具体的取り組みには、中小企業の稼ぐ力の強化、子ども医療費無償化の対象拡大、家事や育児の訪問支援事業拡充、「第12回浜松国際ピアノコンクール」の6年ぶり開催による音楽の都・浜松の発信、天竜区役所への区政担当副市長と中山間地域振興所管部署の設置、移住者支援の拡充などを盛り込んだ。
 激甚化する災害に対応するため、災害に強い道路ネットワーク機能の強化、河川改修や貯留施設の整備の加速と流域治水の取り組みなども進める。経済状況に配慮した家庭ごみの有料化、官民を挙げたカーボンニュートラル実現に向けた取り組みも推進する。
 中野市長は「人口減少局面からの脱却には特効薬はないのが実情。将来を見据え、時間がかかっても成果につながる施策を総合的に着実に実施していきたい」と述べた。市は今後、この基本方針に基づいて予算編成を行い、戦略計画2024を策定する。
 (浜松総局・宮崎浩一)

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