卓球女子団体 日本、王国に粘り「銀」 杭州アジア大会

 杭州アジア大会第4日の26日、卓球女子団体は決勝で中国に0-3で敗れ、銀メダルだった。平野美宇(木下グループ、沼津市出身)は2番手で世界ランク2位の陳夢と対戦し、一時はゲームカウント2-1とリードしたが逆転負けした。

女子団体決勝 中国戦に出場した平野美宇=中国・杭州(本社臨時支局・二神亨)
女子団体決勝 中国戦に出場した平野美宇=中国・杭州(本社臨時支局・二神亨)

▽女子団体決勝
中国 3―0 日本
○ 孫穎莎 3(11―6 12―10 8―11 11―9)1 早田(日本生命) 
○ 陳夢 3(12―10 8―11 7―11 11―8 11―5)2 平野美(木下グループ) 
○ 王曼〓 3(6―11 11―4 11―7 13―11)1 張本美(木下アカデミー)

平野 攻防進化  【杭州=本社臨時支局・山本一真】中国の背中はまだ遠い。だが、敵地の大舞台で日本は確かな可能性を示した。早田が孫穎莎に一矢報い、平野は陳夢をあと一歩まで追い詰める。15歳の張本も王曼〓から1ゲームを奪った。優勝が至上命令の自国開催で、世界ランクトップ3を投入した本気の王国と渡り合った。
 2番手の平野は第1ゲーム、10-8から4連続失点で奪われた。東京五輪シングルス女王は鉄壁の受けでどんな強打も返してくる。得意のラリーで打ち負けた展開に、以前なら一方的な試合になっていたかもしれない。だが、ここからの攻防に平野の進化が表れた。
 第2ゲームからサーブやレシーブで陳夢のフォア前への短いボールを意識的に増やした。高速ラリーのイメージが強いが「もともと台上技術は得意」と平野。ネット際の技術戦で好機をつくり一気に仕留める。緩急を生かした組み立てで2ゲームを連取。最後は強引にラリーに持ち込まれて逆転されたが、渡辺監督も「台上技術は中国人コーチとすごく練習している。プレーのバランスが良くなってきた」と成長を認める。
 ストレート負けながら3時間に迫る大熱戦には、百戦錬磨の相手指揮官も「近年で最も苦しく、激しい試合。今後何年も国際大会の決勝で戦うことになる」と警戒感を口にせざるを得ない。「中国との距離は縮まっている」と平野。パリ五輪代表選考にも関わるシングルスでそれを証明する。
※王曼〓の〓は日の下に立

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