静岡人インタビュー「この人」 サッカーJ2で選手として活躍する傍ら社会貢献のために会社を設立した 鈴木準弥さん(神奈川県)

 Jリーグ2部(J2)のFC町田ゼルビアの選手として活躍する一方、社長としての顔も持つ。故郷の沼津市に昨年、社会貢献を目的とした「準弥」を設立。サッカースクール開講のほかに、犬の殺処分ゼロに向けた活動や、流産・死産を経験した家族の支援、障害者の支援などを進める。27歳。

鈴木準弥さん
鈴木準弥さん

 -選手生活を送る今、どうして起業したのか。
 「設立したのは、移籍前のJ1FC東京にいたころ。知名度や影響力のあるうちに動くことに意味があると考えた。サッカーの合間に片手間で活動していると思われたくないし、同じ熱量で取り組むという本気度を示すため、会社を立ち上げた」
 -なぜ犬の殺処分に着目を。
 「コロナ禍でサッカーの練習ができず、家で過ごしていた時に犬の虐待や殺処分など痛ましいニュースを目にした。犬は家族とともに自分を支えてくれる存在。行動せずにはいられなかった。将来は人工芝のドッグランを作り、走り回る保護犬の姿が見える譲渡会を企画したい」
 -流産経験者の支援は。
 「初めての子を流産で亡くした。それ以来、子ども連れの家族が目に入るようになった。流産などの経験は触れないでほしい人もいると思うが、自分と同じような思いの人がいると知るだけで、心が軽くなる人もいるはず。同じ境遇の人が思いや経験を共有できるようSNSを活用して、コミュニティー作りをしている」
 -設立から約1年、目標は。
 「犬の殺処分ゼロと流産経験者などの精神的な負担軽減を図るのが夢。1人、1匹のために力になりたい。いつからか会社での活動がサッカーを頑張る理由になり、選手としての自分をつくってくれていると感じる」
 (東部総局・天羽桜子)

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