記者コラム「清流」 ここだ!の1枚を
新聞記事で大事なことの一つは写真。記者の腕の見せどころでもあるが、なかなか満足のいく写真が撮れず、頭を悩ませている。
小学生の船の遠足取材では船が勢いよく走行する瞬間にシャッターを押したが、逆光で子供たちの表情がよく見えず。焦って追いかけたが、ピンぼけ写真が続き、あぜんとする。浜名湖の水上訓練では距離が遠すぎて米粒ほどの水上バイクばかり。初めての花火取材では豪雨でカメラが使えず予備のスマホが活躍した。
悪戦苦闘の日々だが、写真展の取材先で助言をもらった。「考えすぎず感じたままシャッターを押してごらん」。苦手意識から、最初から構図や位置取りを妥協していなかっただろうか。「ここだ!」と感じた一枚を逃さないようにカメラの窓から注意深く地域の様子を見つめていたい。
(浜松総局・小林千菜美)