記者コラム「清流」 静岡県東部 多様性武器に

 3月に現所属に移って以降、県東部20市町のうち16市町に取材で赴いた。日本一高い富士山や最も深い駿河湾、工業地帯や漁師町…。数十分移動するだけで異なる景観や風土に触れることができ、小さな旅をしている感覚になる。食材や集客施設、温泉など地域資源も豊富で多様だと感じる。
 県東部地域局が10月に東京で開く移住相談会には9市町が参加する。同じエリアから、これだけ多くの市町が集うのは珍しい。相談者の興味関心に合わせた移住先の提案ができるよう市町同士で協力してほしい。
 観光誘客やまちづくりにも多様性は大きな武器になる。「伊豆」や「富士山」というエリア名は市町名よりも知名度が高く訴求力が強い。行政区を越えて資源を掛け合わせ魅力を高め、時には不足を補い合う動きの広がりを期待したい。
(東部総局・矢嶋宏行)

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