市民に届ける 新聞も安心も 藤枝の5販売店「地域貢献大賞」

配達バイクに見守りカメラ 防犯防災に一役  新聞販売所の地域活動をたたえる日本新聞協会の「地域貢献大賞」に4日、藤枝市の新聞販売店5社が共同で取り組む活動「新聞販売店バイク車載カメラ見守り」が選ばれた。5社を代表し、藤枝江崎新聞店の江崎晴城社長(59)は「地元の同業者や行政、警察、企業が一丸となった成果を評価された」と喜び、「継続性のある取り組みが県内外でも広まってほしい」と期待を込めた。

バイク車載カメラで見守りを続ける新聞配達員ら=藤枝市藤枝
バイク車載カメラで見守りを続ける新聞配達員ら=藤枝市藤枝


 市民の暮らしを守るために2011年、市と市自治会連合会、藤枝署と「安全安心サポートネットワーク」を締結。配達や集金などの業務中に、市民の生命財産や生活に支障を来す恐れがある状況に気付いた場合、関係機関に通報して危難を防ぐ取り組みに着手した。地元自治体と警察、新聞販売店の連携協定は県内初だった。配達中の目配りで異変に気付き、家の中で倒れていた住人を救出するなど事故の未然防止に貢献してきた。
 19年11月には同市に工場を置く自動車部品の村上開明堂(静岡市葵区)の協力を得て、新聞配達用バイクの先端にドライブレコーダーを設置した。記録した映像を防犯や防災、交通事故防止、犯罪捜査に役立てる試みで、現在は全150台に取り付けた。一つの自治体内を走る全ての新聞配達用バイクにレコーダーを備えて見守り活動を行うのは全国初という。
 “動く防犯カメラ”として、早朝など市民の目が届かない時間帯に見守りを推進して犯罪抑止を図り、記録した犯罪や交通事故の映像は警察の要請に応じて提供している。防災面でも、藤枝市が把握していなかった4カ所の危険なブロック塀を発見した実績がある。
 今後もレコーダーの画像解析のデジタル化を進め、日々の生活の変化に対し迅速な把握を目指すなど活動に余念がない。江崎社長は「新聞の仕事を通じて、地域の安全安心に一層貢献していきたい」と市民の生活を支え続ける。
 (藤枝支局・青木功太)

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