徳川家康 長寿の秘けつ 小和田氏(静大名誉教授)が講演

 静岡歴史トークショー「おしえて!家康 おしえて!静岡」(静岡新聞社・静岡放送主催)が5日、静岡市葵区の市民文化会館で開かれた。小和田哲男静岡大名誉教授が、駿府城を居城とした徳川家康の大御所時代や、タカ狩りの際に訪れたとされる田中城(藤枝市)をテーマに基調講演した。

徳川家康の駿府大御所時代の暮らしを解説した小和田さん=静岡市葵区の市民文化会館
徳川家康の駿府大御所時代の暮らしを解説した小和田さん=静岡市葵区の市民文化会館

 家康が駿府を隠居地に選んだ主な理由を史料「廓山和尚供奉記(かくざんおしょうぐぶき)」を基に紹介。幼少時代を過ごした思い出の地▽冬も温暖▽コメがおいしい▽要害堅固で西方の豊臣勢を押さえやすい▽江戸に参勤する大名が訪れやすい―の5点を挙げた。
 田中城周辺には水辺が多く、魚を求めてカモや白鳥などタカ狩りの獲物となる鳥が多数飛来していた当時の状況も解説。家康自身が獲物確保のため野山を駆け回り、獲物を汁物にして食べたことで、運動と栄養補給の効果があったとして「長寿家康の健康法の一つがタカ狩りだった」と語った。
 フリーアナウンサー長谷川玲子さんの進行で、来場者などからの質問に答える時間も設けた。戦の兵糧事情について尋ねられると、小和田さんは3日分の食べ物を自前で準備するよう求められた兵士らが、日持ちする干し飯や加工品を所持していたと説明した。
 静岡新聞の読者ら約千人が聴講した。
 (教育文化部・鈴木美晴)

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