定食屋まるやま 店主優しさに“満腹”【キャンパス界隈 静岡大学~行きつけの店~】

 静岡大生が多く下宿する静岡市駿河区大谷の大谷街道沿いで、30年以上愛されてきた「定食屋まるやま」。店主の佐藤栄男さん(69)が1985年に始め、昼時になると学生や社会人でにぎわう。

アットホームさが魅力の「定食屋まるやま」=静岡市駿河区大谷
アットホームさが魅力の「定食屋まるやま」=静岡市駿河区大谷
定食屋まるやま
定食屋まるやま
アットホームさが魅力の「定食屋まるやま」=静岡市駿河区大谷
定食屋まるやま

 鶏の唐揚げ定食(750円)、アジフライ定食(650円)など家庭的なメニューが並ぶ。ご飯は並盛りでも茶わん2杯分のボリュームがあり、栄養を考慮したサラダや小鉢も付く。「お客さんが喜んでくれることが何よりうれしい。もうけたいという欲はあまりない」と佐藤さん。満腹になった学生の笑顔を励みに営業してきた。
 佐藤さんと共に店を支える家族たちの優しい人柄も、学生に長く愛されてきたゆえんだ。店を手伝う佐藤さんの次女兼高友紀さん(33)は5年前に娘を出産する際、店の常連だった同大女子ソフトボール部員たちから安産祈願のお守りをもらった。出産後も学生が子どもを抱っこしたり、遊んだりしてくれたという。
 2022年に店が火災に見舞われ休業した際には、SNSを通じて多くの励ましのメッセージが届き、同大卒業生が店を応援するため寄付金を募るサイトを立ち上げた。よく同店を訪れる同大理学部4年の渡辺栞さんは「随所で私たち学生への優しさを感じる。だから応援したくなる」と話す。
 「おしゃれな店は街中に任せる」と笑って話す佐藤さんは、これからも学生に寄り添いながら、安くて温かい定食を作り続ける。
 (社会部・五十嵐美央)
 <随時掲載します>

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