静岡がんセンター 大腸がんのロボット支援手術 年内にも国内最多2000例へ

 静岡県立静岡がんセンター(長泉町)で、手術支援ロボット「ダヴィンチ」を使った大腸がんの手術(ロボット支援下手術)の症例数が1900例を突破した。国内医療機関で最多で、年内にも2千例に達する見通し。術後の合併症や排尿障害が減るなどの利点があり、大腸外科の塩見明生部長は「引き続き安全性を確保しながら良好な治療成績を示したい」と話す。

手術支援ロボットを使った大腸がんの手術=長泉町の県立静岡がんセンター(同センター提供)
手術支援ロボットを使った大腸がんの手術=長泉町の県立静岡がんセンター(同センター提供)

 手術を担う医師「術者」が専用の操作台で患部の画像を見ながら遠隔操作する。先端に医療機器を取り付けたロボットアームが術者の手の動きを忠実に再現して“執刀”する。細かな作業を正確にできるのが特徴。大腸の一部である直腸の手術では、近くにある自律神経を傷つける恐れが少なくなったという。
 県内の医療機関に先駆けて2011年に導入した。18年に直腸がん手術、22年に結腸がん手術が保険診療の対象になり、症例数は大きく増加した。大腸外科の常勤医師4人全員が術者の資格を持ち、近年は毎月30~40例を重ねる。
 手術支援ロボットを導入する医療機関で指導に当たるプロクター(指導医)に4人とも認定され、国内外からの視察を積極的に受け入れるなど普及にも尽力する。塩見部長は「新たなロボットでより円滑に手術ができるようになれば」と国内外で加速する新機種開発の動向を注視する。
 (東部総局・矢嶋宏行)

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