放置竹林活用、チェロ製作 静岡のギタリスト原さん 28、29日に藤枝で音色披露

 放置竹林の利活用の幅を広げようと、静岡市葵区の市民団体「ひかり市民センター」代表でギタリストの原大介さん(43)が、伐採した竹を削り弦を張った楽器“竹チェロ”を完成させた。藤枝市谷稲葉の放置竹林を整備してつくった「竹林劇場」で28、29日に開かれるイベントで音色を初披露する。

竹の有効活用として考案した「竹チェロ」を演奏する原さん(左)=静岡市葵区古庄のひかり市民センター前
竹の有効活用として考案した「竹チェロ」を演奏する原さん(左)=静岡市葵区古庄のひかり市民センター前

 原さんが竹に興味を持ったのは5年前、葵区北沼上で竹林整備に励む住民と出会ったことがきっかけ。伐採後の処理作業の過酷さを知り「支援の手が差し伸べられていない現状をなんとかしたいと思った」と振り返る。
 竹チェロのアイデアはギターの演奏中に発案。5月から試作を進め、試行錯誤を繰り返して6本目で納得のいく作品ができた。直径15センチの竹3本をつなげて全長165センチに仕上げた。「竹の大きさや数、厚さなどにこだわったことで重厚感のある響きを実現した」と胸を張る。
 イベントでは原さんら有志4人組が、手作りの竹笛や竹マラカスなどと一緒に演奏する。原さんは「放置された竹を有効活用するので材料費は不要。多彩な楽器を作れる可能性を感じてほしい」と期待を込めた。
 (社会部・鈴木紫陽)

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