水中ドローンで浜名湖きれいに 映像使い「ごみ問題」啓発  浜松市西区のダイビングショップ

 浜松市西区のダイビングショップ「ザ・ダイブス」(木瀬かおり代表)が、水中ドローンを活用した浜名湖の水中清掃や環境保全の啓発活動に取り組んでいる。木瀬さんは「釣り人が多い浜名湖でも水中ドローンなら安全に作業ができる。通行人や釣り人に注目もされるので、ごみ問題を知ってもらうきっかけにもなる」と狙いを語る。

水中ドローンを使って高校生に水中の様子を見せる木瀬かおりさん(左端)=7月末、湖西市入出
水中ドローンを使って高校生に水中の様子を見せる木瀬かおりさん(左端)=7月末、湖西市入出
湖底のごみを拾う水中ドローン=10月1日、湖西市新居町の浜名湖
湖底のごみを拾う水中ドローン=10月1日、湖西市新居町の浜名湖
水中ドローンを使って高校生に水中の様子を見せる木瀬かおりさん(左端)=7月末、湖西市入出
湖底のごみを拾う水中ドローン=10月1日、湖西市新居町の浜名湖


 水中ドローンの運用を始めたのは2021年春。浜名湖で20年から水中ドローンを使って清掃活動に取り組んでいたボランティア団体「根がかりプロジェクト」(平松卓三代表、愛知県岡崎市)と出会い、協力する形でスタートした。
 同団体によると、近年はコロナ禍でも人混みを気にせずに楽しめるレジャーとして、湖西市の新居弁天海釣公園を中心に浜名湖で釣り人が増加した。平松さんは「釣り人の増加に伴い、水中に釣り具などのごみも増えた」と話す。
 ザ・ダイブスは月に1回程度、潮流が弱く、ドローンを動かしやすい日に同公園などで清掃を行っている。今月1日には浜名湖青年会議所が主催したイベントに協力し、湖底のごみ拾いに取り組んだ。約1時間で釣り用のたも網やポリ袋などを回収した。
 水中ドローンのカメラを利用し、浜名湖の水中の映像を見せることで、若者や子どもたちに浜名湖の環境について知ってもらう啓発活動にも取り組んでいる。7、8の両月は、岐阜県から課外研修に訪れた高校生にドローン操縦体験を通して、水中の漁具や釣り具に海洋生物が引っかかって死んでしまう「ゴーストフィッシング」などの問題を伝えた。
 木瀬さんは「ダイバー以外にも水中を見たり、清掃に参加したりしてもらえることが魅力。多くの人を巻き込んで活動を継続したい」と強調する。

 水中ドローン 「スラスター」と呼ばれる推進装置やカメラなどを備え、陸上から水中の様子をリアルタイムで確認したり撮影したりできる有線式の無人潜水機。アームを取り付けて物をつかむことができる。港湾施設や船の点検作業、漁業分野などで全国的にも活用拡大へ期待が高まっている。
(浜松総局・山川侑哉)

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