静岡人インタビュー「この人」 浜松商業高の卒業生就活支援事業「鮭の会」の幹事長を務める 佐口丈夫司さん(浜松市東区)

 浜松商業高(浜松市中区)出身の学生や生徒の就職活動を支援する「鮭の会」の幹事長。学生と企業を結ぶ懇談会などを企画し、地元企業への就職をサポートしている。浜松市中区出身。69歳。

佐口丈夫司さん
佐口丈夫司さん

 ―団体の名前の由来は。
 「鮭のように一度外へ出ても地元に『Uターン』して活躍してほしいという思いを込め、2010年に発足した。就活中の大学や専門学生、高校生などを集め、企業懇談会やインターンシップ、OB・OG自らが教壇に立つキャリア教育などを開催している。受け入れ側の企業は浜松市を中心に約100社が会員登録している」
 ―発足のきっかけは。
 「リーマン・ショック後、卒業生が仕事に就くことが難しくなり、当時の校長から『同窓会で何とかしてくれないか』と要請を受けたのがきっかけ。OB・OGにはがきでメンバーを募集したところ、80人が手をあげてくれた。毎月会合を開き、懇談会の企画を話し合っている。当初は参加した14社に対して約100人の応募があったが、近年は逆転して採用したい企業の方が多い」
 ―企業や就活生の反応は。
 「企業からは『高校生から大学生まで幅のある採用候補者と接することができた』、就活生からは『視野が広がった』といった意見をもらった。企業や学生、生徒の要望を細かく聞き、反映することで、よりよい形を模索している」
 ―就活生に一言。
 「社会には膨大な数の会社があり、正しい選択ができるのか不安な学生も多いと思う。地元に魅力的な企業が多いことをもっと知って、自分の能力を発揮し、思い切りやれるところを見つけてほしい」
 (浜松総局・小林千菜美)

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