静岡県東部でクマ目撃相次ぐ 初見地域も...警戒強化

 静岡県東部でクマの目撃情報が相次いでいる。27日までに新たに沼津市と富士宮市、西伊豆町で情報が寄せられた。過去に目撃されたことのない地域もあり、各市町はパトロールや住民への注意喚起に乗り出すなど警戒を強めている。

静岡県東部 クマの目的情報と日付
静岡県東部 クマの目的情報と日付
クマの目撃情報があった現場付近=27日午後4時ごろ、伊豆の国市・沼津市境
クマの目撃情報があった現場付近=27日午後4時ごろ、伊豆の国市・沼津市境
静岡県東部 クマの目的情報と日付
クマの目撃情報があった現場付近=27日午後4時ごろ、伊豆の国市・沼津市境

 沼津市によると、市南部の内浦三津地区で26日夜に3件の目撃情報があった。猟友会員が現地を確認したが痕跡は確認できなかった。狩猟歴50年以上という駿東猟友会沼津支部の佐藤辰夫支部長(71)によると、富士山に近い愛鷹山周辺での目撃談は過去にあったが、同地区では初めて聞くという。
 富士山麓の富士宮市粟倉と、西伊豆町一色の林道でも目撃された。富士市では25日に続いて27日にも情報が入った。クマと断定できないケースも含め、10月に入ってからの目撃情報は11件に上る。人的被害は確認されていない。佐藤支部長は山中で餌となる木の実が少なく、人里に下りてきている可能性があるとみる。
 関係機関は対応に追われている。富士市は25日にパトロールを始めた。27日からは車両を増やし、週末も継続する。さらに同報無線やメールサービスで市民に注意を呼びかける。
 県内は11月から狩猟期間。駿東猟友会沼津支部は遠方から訪れる人に情報を周知し、ラジオや鈴の携帯を勧めるとしている。
 一方、思い違いの事例も。伊豆の国市では「クマが柿を食べている」との連絡を受けて専門家が足跡やひっかき傷を調べた結果、クマではないと判明したという。

薩埵峠でも目撃 静岡市清水区
 静岡市は27日、清水区の薩埵峠でクマの目撃情報があったと発表した。被害は確認されていない。市は28日にも現場周辺に注意喚起の看板を設置する。
 市によると、25日から26日にかけて、薩タ峠ハイキングコースの迂回(うかい)路などで登山者3組がそれぞれクマを目撃した。体長1メートル程度のツキノワグマとみられる。
 目撃された場所から最寄りの民家までは約500メートル。市の担当者は、クマは早朝と夕方に活発になるとして近隣住民や登山者に注意を呼びかけている。

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞