⚽藤枝MYFC 残留決定、中川風スーパーゴール J2第40節

 明治安田J2リーグは28日、藤枝総合運動公園サッカー場などで第40節が行われた。藤枝は水戸に1―0で勝ち、J2残留を決めた。
 ②藤枝サ(藤枝2勝)▽観衆3203人
 藤枝 14勝9分け17敗(51) 1(1―0 0―0)0 水戸 11勝13分け16敗(46)
 ▽得点者【藤】中川風(3)
藤枝―水戸 前半32分、先制ゴールを決めて駆けだす藤枝・中川風(中央)=藤枝総合運動公園サッカー場(写真部・小糸恵介)

 【評】藤枝は前半の1点を守り抜き、水戸に競り勝った。
 前半からミドルブロックを敷いて冷静に試合を進めた。22分にFW矢村が惜しいシュートを放つと、32分にFW中川風のロングシュートで先制した。
 後半は速攻からFW矢村、途中出場のMF大曽根が好機をつくったが、守備の時間が長かった。猛攻を受け危ない場面もあったが、交代選手を有効に使い最後は5バックにしてしのいだ。GK北村の好セーブも光った。

藤枝―水戸 前半32分、先制ゴールを決める藤枝・中川風(中央)=藤枝総合運動公園サッカー場(写真部・小糸恵介)
主力欠く中 応えた30メートルロングシュート 藤枝―水戸 前半32分、先制ゴールを決めて駆けだす藤枝・中川風(右)=藤枝総合運動公園サッカー場(写真部・小糸恵介)
 チームの底力を発揮し、J2昇格初年度の藤枝がホーム戦勝利で残留を決めた。掲げる超攻撃的スタイルにそぐわない1―0だが、須藤監督は「J2を勝ち抜くには、こういう難しい試合をものにする強さが必要」と成長に手応えを示した。
 出場停止で主力3人を欠く中、前半からボール支配率で下回ったが、全体に落ち着きがあった。
 観客に衝撃を与えた先制点はFW中川風の右足から。約30メートルのロングシュートでゴールネットを揺らし、「GKの位置が高いので狙っていたが、まさか入るとは、自分が一番びっくりした」と笑顔。欠場したMF横山がボールを運びビルドアップに関わるのに対し、中川風はワンタッチパスで周りを生かして攻撃にリズムを生んだ。
 後半は中盤で相手の圧力が上回り、思うようにパスをつなげなかった。前節大宮戦は2点リードから逆転負けしたが、GK北村は「押されても気持ちを強く持ち、慌てなかった」と反省を生かした。きわどいシュートもDF陣が最後まで体を寄せて枠外に。北村も好セーブを見せ、無失点に抑えた。
 DF山原は一発退場になった7月の仙台戦以来、12試合ぶりの先発でフル出場。「追加時間まで警戒を切らさず、自分の力を示せた。次もスタメンをつかみたい」。今季を締めくくる残り2試合で定位置争いが激しさを増してきた。
(寺田拓馬)
藤枝―水戸 後半、相手の攻撃を防ぐ藤枝・川島(左から5人目)や新井(同3人目)。右端は山田=藤枝総合運動公園サッカー場(写真部・小糸恵介)
藤枝―水戸 後半、相手の攻撃を防ぐ水野(中央)ら藤枝の選手=藤枝総合運動公園サッカー場(写真部・小糸恵介)
須藤監督 続投へ 昇格年を高く評価
藤枝―水戸 前半32分、藤枝・中川風(左)のゴールを祝福する須藤監督=藤枝総合運動公園サッカー場(写真部・小糸恵介)
 J2昇格初年度で残留を確定させた藤枝の須藤大輔監督(46)が来季も指揮を執ることが28日までに決定的となった。須藤監督はクラブ側と続投で基本合意し、最終的な条件を詰めている。関係者への取材で分かった。
藤枝―水戸 前半、選手に指示を出す藤枝・須藤監督(左)=藤枝総合運動公園サッカー場(写真部・小糸恵介)
 須藤監督は当時J3だった2021年シーズン途中に就任し、22年に2位でJ2昇格を果たした。今季はここまで14勝9分け17敗の12位で、2試合を残して残留を決めた。選手層が薄い中、超攻撃的スタイルを貫いて上位チームとも対等の戦いを演じた須藤監督の手腕をフロントは高く評価し、続投を求めてきた。
 神奈川県出身の須藤監督は桐光学園高から東海大を経てプロ入りし、水戸、湘南、甲府、神戸でFWとしてプレーした。10年に藤枝で現役を引退し、山梨学院大サッカー部でコーチを務め、J3鳥取でも指揮を執った。
水戸に勝利して笑顔を見せる藤枝・須藤監督(右端)=藤枝総合運動公園サッカー場(写真部・小糸恵介)
 

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