11月1日、就任半年 中野浜松市長インタビュー 初の編成 24年度当初予算 人口減少脱却へ対策本腰

 浜松市の中野祐介市長(53)が1日で就任から半年を迎えるのを前に静岡新聞社のインタビューに応じた。初の編成となる2024年度当初予算について「浜松をもっと元気にし、市の最大の課題である人口減少から脱却していくというメッセージが市民に伝わるような予算にしたい」と思いを語り、人口減対策として「まち・ひと・しごとの創生」に本格的に乗り出す方針を示した。

就任から半年を振り返りながら、2024年度当初予算編成への意気込みなどを語る中野祐介市長=浜松市役所
就任から半年を振り返りながら、2024年度当初予算編成への意気込みなどを語る中野祐介市長=浜松市役所

 前市政は全国でも高い目標を掲げた中期財政計画(計画期間15~24年度)に基づいて財政支出を制約し、市債残高の削減を積極的に進めたため、市議会でも賛否が分かれていた。財政運営の考え方について「現財政計画は24年度までなので、目標達成に向けてはしっかりと取り組む。24年度は持続可能性をにらみながら、必要な投資や事業を行うことになる」との意向を明らかにした。
 ただ、「予算が財政計画に縛られるものではない」と強調し、「現財政計画が終了した後は社会情勢や浜松市が置かれている状況を踏まえて考えていく」と将来的な投資拡大には含みを持たせた。
 真っ先に取り組む施策として挙げたのは子ども・子育て支援。乳幼児の医療費無償化や放課後児童会の待機児童解消などを早期に進めることで「社会で子どもや子育てを支える体制を整えたい」と意欲を見せた。
 ほかにも、街のにぎわい創出や大河ドラマを契機とした誘客促進、浜名湖花博2024、県が遠州灘海浜公園篠原地区(西区)に整備する野球場周辺のまちづくり、人身交通事故の政令市ワーストからの脱却なども24年度の重要施策に掲げ、「できるものから直ちに予算化する。検討を始める事業についても予算に盛り込んでいく」と述べた。
 北海道など5カ所の地方自治体勤務や石破茂元地方創生担当相の秘書官を2年間務めた経験から「地方創生はライフワーク」と言い切る。人口減対策のまち・ひと・しごとの創生にも本腰を入れ、産業振興、子育て支援や健康寿命増進など人づくりの環境整備、スポーツや文化の振興、中心市街地の活性化などによる街の魅力向上を総合的に進める意向を示した。
 この半年間を振り返り、「分刻みで動き、予想以上に大変だった」と本音を漏らす一方で、「やりがいと重責をあらためて感じている。余裕も少し出てきたので、今まで以上に現場に行き、いろいろな人の話を聞いて施策に反映させていきたい」と気を引き締めた。
 (聞き手=浜松総局・宮崎浩一)

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