⚽藤枝愛 昇格、残留とその先のJ1へ MYFCのレジェンドたち【しずスポ】

 目標とするJ1へ、チームと一緒に階段を上る。昇格初年度でJ2残留を決めた藤枝の屋台骨を支えたのはベテランのDF川島将(31)とMF水野泰輔(30)。クラブとともに長年歩んできた2人の副主将は「喜びと成長がチームと重なる。常に次の一歩を踏み出したい」と今季残り2試合を見据える。
22年J2昇格 藤枝での通算出場数は川島190試合、水野179試合で歴代1、2位。2014年にJ3昇格後も下位に低迷する時期が長かったチームが、難しいとされるJ2昇格1年目で上位と互角に戦えることを証明。J1ライセンスも取得し、水野は「当時は考えもしなかった。選手は入れ替わっているが、クラブの進化を肌で感じる」と感慨にふける。
 今季は連勝スタートを切ったが、チームで得点王のFW渡辺りょうとアシスト王のMF久保藤次郎がJ1に移籍すると、7月から8戦勝ちなしで4連敗と失速した。勢いを取り戻したのは第34節のアウェー熊本戦。ベテラン中心に守備ブロックを敷く新たな戦術を 浸透させ、2―0で快勝した。「分岐点になった試合。負けたら降格圏に沈んでいたかも」と川島は振り返る。
2月18日開幕白星2月25日ホーム初勝利10月28日J2残留 J2で対戦相手のレベルが上がり、強さとスピード、質に戸惑った時期を乗り越え、水野は「相手がどこでも真っ向勝負ができる。30歳を越えて自分も今が一番、心と体に一体感があり、サッカーを楽しめている」と充実感をにじませる。
 川島はステップアップを誓って北九州に完全移籍したが、1年で契約満了になり藤枝に戻った経験がある。「落ち込んだが、挫折を経験して強くなれた。藤枝には恩があり、骨をうずめる覚悟」とクラブ愛を強調する。
 若手が多い中で2人はピッチ内外でお手本。須藤監督は「一言でチームを変える力があり頼もしい。まだ選手として成長できる。ピッチでさらに存在感を発揮してほしい」と信頼と期待を寄せる。
 (寺田拓馬)

 水野泰輔 藤枝歴代2位 179試合出場
 みずの・たいすけ 高い戦術眼と豊富な運動量を誇り攻守の要ボランチを担う。藤枝歴6年で岐阜、熊本にも在籍。愛知県出身。大宮戦で攻め込む藤枝・水野(左)=藤枝総合運動公園サッカー場(写真部・二神亨)


 川島将 藤枝歴代1位 190試合出場
 かわしま・のぶゆき フィジカルに優れ、カバー範囲も広い不動のCB。東京都出身で栃木、群馬でもプレー。藤枝在籍歴7年。大宮戦でボールを追う藤枝・川島(2)=藤枝総合運動公園サッカー場(写真部・二神亨)


 久富良輔 藤枝歴代3位 152試合出場大宮戦でボールを追う藤枝・久富=藤枝総合運動公園サッカー場(写真部・二神亨)


 岩渕良太 藤枝歴代4位 134試合出場栃木戦で味方と話し合う藤枝・岩渕(右)=栃木グリーンスタ(写真部・二神亨)

 ☆メモ J2藤枝のフィールドプレーヤーで30歳以上は川島と水野に、DF久富良輔(32)とFW岩渕良太(33)を合わせて4人。久富は久保がJ1名古屋に移籍した後、右WBに定着してチームを支え、得点嗅覚と技術に優れた岩渕も今季5得点を挙げている。藤枝での通算出場は久富152試合、岩渕134試合で歴代3、4位。

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞