記者コラム「清流」 新たな運動会

 学校の運動会とはひと味違う地域の運動会に参加するのが小さい頃から大好きだった。回覧板の開催通知と出場したい種目に丸をつけるといよいよ秋が来るとワクワクしていた。
 今秋、浜松市内の運動会を取材した。複数の自治会が運動会からふれあいフェスティバルと名称変更していることに驚いた。主催者が口をそろえて言った。「コロナ禍でつながりが減っているが、年齢や性別に関係なく誰もが楽しめる場を少しでも作りたい」―。時間も短縮して半日にし、種目もパン食い競争や伝統音頭、町内クイズ大会など従来の運動会とは変えていた。どの競技も小さな子供からお年寄りが笑顔で交流する姿が印象に残っている。
 「ここにいるだけで楽しいね」。見学していたお年寄りの言葉が新たな運動会の成功を語っている。

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