⚽決勝は静岡学園ー藤枝東 高校サッカー選手権静岡県大会

 第102回全国高校サッカー選手権静岡県大会(県サッカー協会、県高体連、静岡新聞社など主催)の決勝トーナメントは5日、準決勝をエコパスタジアムで行い、静岡学園と藤枝東が決勝に進んだ。

静岡学園―浜松開誠館 後半13分、先制ゴールを決めて駆け出す静岡学園・野田(13)=エコパスタジアム(写真部・小糸恵介)
静岡学園―浜松開誠館 後半13分、先制ゴールを決めて駆け出す静岡学園・野田(13)=エコパスタジアム(写真部・小糸恵介)
浜名―藤枝東 延長後半、前線にパスを送る藤枝東・河野(中央)=エコパスタジアム(写真部・小糸恵介)
浜名―藤枝東 延長後半、前線にパスを送る藤枝東・河野(中央)=エコパスタジアム(写真部・小糸恵介)
静岡学園―浜松開誠館 後半13分、先制ゴールを決めて駆け出す静岡学園・野田(13)=エコパスタジアム(写真部・小糸恵介)
浜名―藤枝東 延長後半、前線にパスを送る藤枝東・河野(中央)=エコパスタジアム(写真部・小糸恵介)

 静岡学園は後半にCKからDF野田が決勝点を挙げ、1ー0で浜松開誠館を下した。藤枝東は延長後半にオウンゴールを誘い、浜名に1ー0で辛勝した。静岡学園は2年ぶり、藤枝東は3年連続の決勝進出。全国切符を懸けた決勝は11日午後1時からエコパスタジアムで行われる。
 >【写真特集】高校サッカー選手権静岡県大会準決勝
 ▽準決勝
 静岡学園 1(0―0 1―0)0 浜松開誠館
 ▽得点者【静】野田(高田)

静学 開誠館に雪辱 セットプレーで決勝点  終始優位に試合を進めた静岡学園が最少得点ながら浜松開誠館に完勝した。主力にけが人が多い中でもチームの総力を見せ、川口監督は「試合をやりながら自信を付けている」と選手個々の成長に目を細めた。
 守備を固める相手に対し、前半から圧倒的にボールを保持して攻め続けた。決勝点は後半13分、MF高田からのCKをDF野田が頭で合わせた。先発唯一の2年生は2日前の準々決勝磐田東戦に続いて試合を決め、「逆を突く動きでうまくマークを外せた」と笑顔を見せた。
 攻撃の中心を担う高田は厳しいマンマークを受けたが、後半はポジションを左右自由に変えて相手を翻弄(ほんろう)。終了間際にはポスト直撃のシュートを放ち、「味方を生かす動きを心がけた。後半の攻めはイメージ通り」と振り返った。
 前年大会準決勝で敗れた相手に雪辱を果たし、決勝は藤枝東とぶつかる。2年ぶりの全国選手権を目指し、指揮官が「次勝つかどうかで経験値が大きく変わる。チームの歴史をまたつくりたい」と意欲を示せば、主将のGK中村も「どちらの気持ちが強いか。自分たちを信じて戦いたい」と決意を固めた。
 (寺田拓馬)
開誠館 連覇逃す 主力3人が負傷  連覇を狙った昨年覇者の浜松開誠館は後半開始直後までに、主力3人が負傷交代するアクシデントに泣いた。青嶋監督は「あと少しで狙い通りの試合がつくれたが、準備していた交代ができなくなった」と悔しさをにじませた。
 前半だけでDF岩崎、FW菅原がベンチに退き、後半8分にはMF森下が交代する緊急事態に見舞われた。主将のDF八巻は「主力3人がいなくなって思うように試合を進められなくなった」と肩を落とした。
 劣勢を強いられながらもカウンターで相手ゴールを狙った。だが、後半21分にFW田中が放ったこの試合唯一のシュートも相手GKに防がれた。指揮官は「勢いだけで勝たせてくれる相手ではない」と敗戦を受け止めた。

 ▽準決勝
 藤枝東 1(0―0 0―0 延長 0―0 1―0)0 浜名
 ▽得点者【藤】オウンゴール

藤枝東 延長戦制す 粘り強く攻めOG誘発  藤枝東が苦しみながらも3年連続の決勝進出を決めた。勝敗を分けたのは、攻守の切り替えを徹底して、最後まで攻め続けた粘り強さだった。
 2年連続で浜名との対戦になった準決勝は前年同様に両者譲らず無得点で延長戦へ。試合が初めて動いたのは延長後半2分。左サイドバックの河野がゴール前で待つ189センチのFW植野をめがけて上げたクロスは相手に当たりゴールに吸い込まれた。「速いボールを入れれば何かが起こるはず」と河野。足をつりながらも渾身(こんしん)のクロスでオウンゴールを誘発した。
 今夏は実戦を重視して遠征を重ね、青森山田や神戸弘陵(兵庫)などの強豪と対戦。攻守の切り替えのスピードやプレー強度の高さで違いを痛感した。ボランチの野田主将は「まだまだ足りない」と力不足を自覚しチーム内で基本を徹底させレベルアップを図った。
 直近2年間の決勝はともに敗れ、全国切符を逃している。鷲巣監督は「もう1試合できるチャンスをもらえた。そのために1年間やってきた」と実感を込める。100分間の死闘を制して雪辱を期す舞台にたどり着いた。
 (名倉正和)
浜名 最後の猛攻実らず  あまりにむごい結末だった。浜名は内容で上回りながらOGで惜敗。昨年に続き藤枝東に延長戦の末に屈し、内藤監督は「またここで。悔いが残る」と唇をかんだ。
 ボール支配率で下回ったが、前線からプレスを掛けて藤枝東のパスワークを封じ、速攻から決定機をつくった。前半早い時間にエースの加藤主将が負傷退場するアクシデントもチーム全体で補い、格上プリンス勢相手にシュート数で上回った。
 ただ、勝負には敗れ、昨年の準決勝も先発した副主将のDF細見は「細かいところに差があった」と足元を見つめた。
 延長戦には2年生を4人投入し、猛攻を仕掛けた。現在、県Aリーグ首位で3年連続のプリンス参入戦出場が決まっている。「チームの強度を上げるためには上のリーグに上がる必要がある」。細見副主将は後輩のため、もう一つの目標に気持ちを切り替えた。

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