静岡市、10年ぶりに津波マップ刷新 県の警戒区域指定受け 災害時の「基準水位」表示

 静岡市は7日、県による今春の津波災害警戒区域指定を受け、約10年ぶりに刷新した津波ハザードマップの説明会を同市役所清水庁舎で開いた。新たなマップは各地域の浸水の深さに、津波が建物などに衝突した時のせり上がりの高さを加味した「基準水位」を表示し、避難時の安全な高さを明確にした。市の担当者は「自宅以外にいる場合も想定し、地震が起きたらどこに避難すればいいのか改めてチェックしてほしい」と呼びかける。

静岡市が約10年ぶりに刷新した津波ハザードマップ
静岡市が約10年ぶりに刷新した津波ハザードマップ
市民への説明会で新たな津波ハザードマップの変更点などを説明する市職員=7日午後、静岡市役所清水庁舎
市民への説明会で新たな津波ハザードマップの変更点などを説明する市職員=7日午後、静岡市役所清水庁舎
静岡市が約10年ぶりに刷新した津波ハザードマップ
市民への説明会で新たな津波ハザードマップの変更点などを説明する市職員=7日午後、静岡市役所清水庁舎

 新マップは駿河区2地域、清水区4地域の計6種類を作成し、10月下旬に市ホームページで公表した。津波災害警戒区域の約6万5千世帯に全戸配布する。
 2014年3月公表の旧マップは浸水の深さを5段階の色で表示していたが、新マップは基準水位を8段階に細分化した。基準水位は地点により20センチ程度のせり上がりが反映されているという。
 浸水が想定される区域は県が指定した津波災害警戒区域と同じで、旧マップに比べて若干狭まった。津波到達時間は10分未満から30分以上まで5段階で色付けした地図を基準水位の地図に並べて掲載し、分かりやすくした。
 サイズは旧マップの2倍のA1判(59センチ×84センチ)に拡大し、津波避難ビルや津波緊急避難場所の正確な位置を表示。自宅にいた場合や学校・勤務先にいた場合、その他の沿岸部にいた場合などを想定し、基準水位や津波到達時間を基に、どこに避難すれば最も安全かを調べることができる。
 説明会では基準水位の意味や、1854年の安政東海地震の浸水範囲について質問が活発に上がった。市危機管理総室の杉村晃一主幹兼係長は「南海トラフ地震の津波到達時間は早いが、清水区の浸水深はそれほど高くない場所が多い。避難行動をしっかり取ることが大事」と強調した。
 説明会は15日午前10時から駿河区の市地域福祉共生センター「みなくる」でも開かれる。申し込み不要。
 (社会部・瀬畠義孝)

 

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