静岡学園2年ぶりV 高校サッカー選手権静岡県大会 宮崎が決勝弾

 第102回全国高校サッカー選手権静岡県大会(県サッカー協会、県高体連、静岡新聞社など主催)は11日、エコパスタジアムで決勝を行い、静岡学園が藤枝東を2―1で下し、2年ぶり14度目の優勝を飾った。全国大会の開幕は12月28日で、11月20日に組み合わせ抽選会が行われる。

静岡学園―藤枝東 後半26分、勝ち越しゴールを決めて喜ぶ静岡学園・宮崎(中央)。左端は先制ゴールの庄=11日午後、袋井市のエコパスタジアム(写真部・小糸恵介)
静岡学園―藤枝東 後半26分、勝ち越しゴールを決めて喜ぶ静岡学園・宮崎(中央)。左端は先制ゴールの庄=11日午後、袋井市のエコパスタジアム(写真部・小糸恵介)
2年ぶりの優勝を決めて喜ぶ静岡学園イレブン=11日午後、袋井市のエコパスタジアム(写真部・宮崎隆男)
2年ぶりの優勝を決めて喜ぶ静岡学園イレブン=11日午後、袋井市のエコパスタジアム(写真部・宮崎隆男)
静岡学園―藤枝東 後半、ヘディングシュートを外し天を仰ぐ藤枝東・江口(右)=エコパスタジアム(写真部・宮崎隆男)
静岡学園―藤枝東 後半、ヘディングシュートを外し天を仰ぐ藤枝東・江口(右)=エコパスタジアム(写真部・宮崎隆男)
静岡学園―藤枝東 後半26分、勝ち越しゴールを決めて喜ぶ静岡学園・宮崎(中央)。左端は先制ゴールの庄=11日午後、袋井市のエコパスタジアム(写真部・小糸恵介)
2年ぶりの優勝を決めて喜ぶ静岡学園イレブン=11日午後、袋井市のエコパスタジアム(写真部・宮崎隆男)
静岡学園―藤枝東 後半、ヘディングシュートを外し天を仰ぐ藤枝東・江口(右)=エコパスタジアム(写真部・宮崎隆男)


 ▽決勝
 静岡学園 2(1―1 1―0)1 藤枝東
 ▽得点者【静】庄(宮崎)宮崎(庄)【藤】植野(江口)


 【評】静岡学園が苦しみながらも2―1で藤枝東を下した。
 前半からボール保持率で上回ったのは静岡学園。ドリブルとショートパスで仕掛け続け15分、庄が正面からミドルを突き刺した。
 藤枝東は縦に速い攻撃で対抗し29分、植野の頭で追い付き、終了間際にも江口の好機があった。後半序盤も流れをつかみ18分に江口がバー直撃のヘディングシュートを見せた。
 しかし、26分に静岡学園の宮崎がゴールを奪い、試合を決めた。

流れ渡さず 後半決勝点
 流れを引き戻す勝負強さを見せた。静岡学園はボールを保持しながら藤枝東の速攻に手を焼いたが、「次の1点を取れば勝ちだと思った」。決勝点を挙げたFW宮崎は冷静に試合を振り返った。
 集中力を高めて試合に入り、前半早い時間にFW庄のゴールで先手を取った。しかし、「急ぎすぎてミスが多く、もっとゆったり攻めたかった」と川口監督。相手の守備ブロックを崩せず、ピンチを招く場面もあった。
 前半29分に追い付かれたが、「1失点は想定内。耐えれば好機が来る」。主将のGK中村が守備を統率し、追加点を許さなかった。
 県総体を制したが、全国総体は初戦敗退。主力にけが人も続出し、今大会前は苦しい期間を過ごした。中村が頼ったのは2019年度全国優勝メンバー阿部健人元主将。「今できることを120%やるしかない」。金言をもらいチーム内で共有し、甘さを廃した。
 来季J1川崎入り内定のエース神田を欠いた今大会は0トップで流動的に攻撃を展開。夏までBチームだった宮崎は「ドリブルのキープ力が武器。自分の良さを出せた」。チームの総力で2年ぶりに県の頂点に立った。
 全国大会までには神田ら主力が戻る。「大会を通じチームが成長し、これからが楽しみ。静学のスタイルを表現したい」。指揮官は4年ぶりの全国制覇に照準を合わせた。
 (寺田拓馬)

ラッキーボーイ 庄、2点に絡む活躍
 ラッキーボーイが2得点に絡む活躍でチームを救った。静岡学園のFW庄は大会前までBチーム。「数カ月前には想像できなかった」と試合後は笑みがこぼれた。
 前半の先制点は鮮やかなミドル。「コースが見えていた」と右足を振り抜いた。ドリブルで仕掛ける積極性が持ち味。後半26分には攻め込むと、宮崎に絶妙のタイミングでスルーパスを出した。
 今大会計3得点で前線からの守備でも貢献したが、主力が復帰すればレギュラー争いがまた激しくなる。「アピールし続け、観客を楽しませるプレーがしたい」。全国舞台へ決意を新たにした。

藤枝東無情 3年連続準V エース同点弾も遠い1点
 無情の笛の音が響き渡ると、藤色のイレブンは天を仰ぎ、力なく膝に手を置いた。3年連続でたどり着いた決勝の舞台で、藤枝東は三たび苦杯をなめさせられた。「2番ではだめ。1番にならないと変わらない」。伝統校を率いる鷲巣監督の言葉が重く響く。
 序盤から相手の圧力に押されて思い通り前進できず、先手も奪われた。それでも、エースの一撃で息を吹き返す。前半29分、身長189センチのFW植野が左クロスを頭でたたき込む。試合を振り出しに戻すと、鋭い逆襲や両翼を使った攻撃で得点の匂いを漂わせた。
 最大の決定機は後半18分。右から届いた浮き球に、遠いサイドのMF江口が頭で合わせた。しかし、惜しくもクロスバーを直撃。1点目をアシストし、攻撃をけん引した背番号11は「実力不足です」と言葉を絞り出した。
 3度目の決勝のピッチに立った主将のDF野田の目には涙がにじんだ。ただ、過去2年とは異なり、後方からの攻撃の組み立てに手応えも感じたという。「藤枝東はパスサッカーのチーム。今後もチャレンジしてほしい」と後輩たちに願った。
 (市川淳一朗)

静学・中村MVP
 全国高校サッカー選手権県大会の優秀選手、優秀レフェリーは次の通り。
 【MVP】(最高殊勲選手)中村圭佑(静岡学園)
 【ベストイレブン】GK 中村圭佑(静岡学園)▽DF 野田裕人(静岡学園)八巻涼真(浜松開誠館)細見和志(浜名)▽MF 田嶋旦陽(静岡学園)野田隼太郎(藤枝東)高田優、庄大空、森崎澄晴(以上静岡学園)▽FW 宮崎隆之介(静岡学園)植野悠斗(藤枝東)
 【優秀GK】藤崎蒼葉(藤枝東)
 【優秀DF】村上樹(藤枝東)
 【最優秀新人】なし
 【得点王(3点)】高田優、植野悠斗、庄大空、湯山大輔(藤枝東)、手塚有澄(聖隷クリストファー)
 【アシスト王】なし
 【優秀レフェリー】林繁久(静岡商高教)
 【フェアプレー賞】なし

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