駿河竹千筋細工でクリスマスツリー 静大生と職人コラボ 静岡・グランシップ

 静岡大でデザインや美術を研究する学生・教員と静岡市の伝統工芸品「駿河竹千筋細工」の職人が、クリスマスツリーを飾る竹細工オーナメントを共同開発し、12日に静岡市駿河区のグランシップにオーナメントを飾ったツリーがお目見えした。12月25日まで展示される。

駿河竹千筋細工で作られたオーナメントを飾り付ける学生=静岡駿河区のグランシップ
駿河竹千筋細工で作られたオーナメントを飾り付ける学生=静岡駿河区のグランシップ

 開発したのは、川原崎知洋准教授(美術教育専攻)の研究室に所属する学生4人と、みやび行燈製作所(同市葵区)の竹細工職人杉山茂靖さん。学生と川原崎准教授が「静岡の伝統工芸の魅力や可能性を伝えたい」と杉山さんに提案し、企画とデザインを担当した。
 「竹細工は高価だが、今回は生活の中で積極的に使えるものにしてほしい」という杉山さんの思いを受け、学生はオーナメントのコンセプトを「子どものおもちゃ」にした。学生がデザインしたSLやロケット、積み木など7種類80個の竹細工オーナメントを杉山さんが職人技で仕上げた。試作品は実際に幼児に触れてもらい改良を重ねた。
 12日には高さ4メートルのツリーに学生らが飾り付けた。川原崎准教授は「おもちゃであれば、オーナメントとして飾られた後も日常生活で使ってもらえる」と解説した。同大3年の山下桃佳さん(21)は飾り付けを終えたツリーを見上げ「デザインを考えるのが難しかったが、繊細で美しく、温かみのあるツリーが完成してうれしい」と笑顔を見せた。
 (社会部・鈴木紫陽)

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞