記者コラム「清流」 自分に優しい目 向けて

 この夏、静岡市内の結婚式場で乳がんの治療を経験した人にウエディングドレスを着てもらうイベントがあり、20代の助産師の女性に出会った。ヘアメークの間、闘病の体験を聞かせてもらった。
 治療が一段落した後の落ち込みが一番激しかったこと、大学院の休学を経て助産師になる夢をかなえたこと、「恋愛はもう無理」と思っていたが、最近、結婚したこと―。芯の強さと明るい人柄に引かれたこともあり、再度、取材をお願いし、「ピンクリボン月間」(10月)に合わせた特集記事を書いた。
 「自分に優しい目を向けてほしいと伝えたい」と女性。自分の体や心に関心を持ち、変化に敏感になることが、病気の早期発見にもつながる。「自分を守れるのは自分しかいない」という言葉を心に留めたい。
(生活報道部・大滝麻衣)

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