⛳杉浦(日大国際関係学部) “大物”抑え栄冠 男子ゴルフ・ダンロップ・フェニックス最終日

 単独首位から出た日大国際4年の22歳、杉浦悠太が4バーディー、2ボギー、1ダブルボギーの71で逃げ切り、通算12アンダー、272でツアー史上7人目のアマチュア優勝を果たした。杉浦はプロ転向の考えを明らかにした。

最終日、ウイニングパットを決めガッツポーズするアマチュアの杉浦悠太。通算12アンダーで優勝した=フェニックスCC
最終日、ウイニングパットを決めガッツポーズするアマチュアの杉浦悠太。通算12アンダーで優勝した=フェニックスCC
最終日、2番でバンカーショットを放つアマチュアの杉浦悠太
最終日、2番でバンカーショットを放つアマチュアの杉浦悠太
最終日、ウイニングパットを決めガッツポーズするアマチュアの杉浦悠太。通算12アンダーで優勝した=フェニックスCC
最終日、2番でバンカーショットを放つアマチュアの杉浦悠太

 3打差の2位に賞金ランキングトップの中島啓太と蟬川泰果が入り、ともに賞金3千万円を獲得。4年ぶりに日本ツアーに参戦した松山英樹は通算5アンダーの10位、ブルックス・ケプカ(米国)は3アンダーの15位だった。(出場61選手=アマ1、晴れ、気温18・5度、西北西の風5・4メートル、観衆6865人)
「アマ最後にうれしい結果」 重圧打ち勝つ プロ宣言
 1メートルのウイニングパットを沈めると、両手を突き上げて天を仰いだ。22歳の杉浦が、第3ラウンドまでのリードを生かして史上7人目のアマチュア制覇を達成。松山、ケプカらビッグネームを抑えての栄冠に「メジャーを勝っている選手がいる中での優勝。本当にうれしい」と破顔一笑した。
 4打差の首位で迎えた運命の18ホールは「朝ご飯がなかなか喉を通らなかった」と重圧の中でスタート。1番で1打目を左の林に入れていきなりのボギー発進で、流れに乗れない時間が続いた。
 重苦しい空気は11番のパー3でついにプレーに影響する。1打目を左奥に打ち込み、4オン1パットのダブルボギーで一気に落とすと、12番では3パットのボギー。「もう緊張が止まらなかった」。後続に差を詰められて厳しい状況だったが、16番の残り100ヤードをピン左1メートルにつけ、震えそうな手でバーディーパットもねじ込み、快挙を大きく引き寄せた。
 優勝インタビューでは「アマチュアの最後にうれしい結果で終われた。これからプロとして活躍できるように頑張りたい」と転向を宣言。元々は今大会後にツアーの3次予選会に出場する予定だったが、勝利で2季後までのシードを獲得。メンバー登録も済まし、プロとして今季の残り2戦を出場する。「せっかく出るからには勝ちたい。プロとして1勝を挙げることが目標」と早くも新たな高みを目指す。
杉浦の一問一答 「差がない感じでプレー」
 杉浦はチェック柄のチャンピオンブレザーを身にまとい、笑顔で偉業を振り返った。
 -7人目のアマチュア優勝。
 「メジャーを勝っている選手がいる中で優勝できて本当にうれしい。4打差あるといろいろな人から言われたが、差がない感じでプレーしていた」

 -最終日最終組の重圧は。
 「昨日(18日)の寝る前も今日のプレーのことを考えてしまっていた」

 -勝因は。
 「ショットの調子が良かった。4日間、調子を維持するのが課題の一つだが、最後まで思うようなスイングができた」

 -プロ転向を表明。
 「まずはプロとして1勝を挙げることが目標。松山選手、中島選手は(応援の)ギャラリーの数がすごい。応援してもらえる選手になりたい」

 -将来の目標は。
 「海外でプレーしたい。プロとして海外でやっていくために来年もレベルアップしていきたい」

松山、石川ら賛辞  ツアー史上7人目の快挙を果たした杉浦に、敗れたアマチュア優勝経験者の先輩は賛辞を贈った。東北福祉大時代の2011年に達成し、世界トップ選手となった松山英樹は「プレッシャーをかけないといけない立場のプロが、みんなかけられなかった」と脱帽。「実際に一緒の試合に出て負けた。すごくいい選手だと思うので、いつかチャンスがあったら回ってみたい」と話した。
 07年にわずか15歳245日の若さでプロを破って一躍時の人となった石川遼は、松山やケプカらメジャー覇者が出場した今大会のレベルの高さを考慮して評価した。「このコースで、このメンバーで勝つのは僕の優勝よりもすごいこと」と称賛し「プロの世界でもどんどん上に行けると思うし、すごく楽しみな選手」と期待した。
 昨年にアマとして2大会に勝ち、今大会2位の蟬川泰果はジュニア時代から杉浦としのぎを削ってきた。「やはりすごいけど、勝つのは不思議じゃない。元々自分より格上の選手」と納得顔だった。

 

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞