鍋島焼「浜松城主」に“献上” 佐賀・伊万里市など オリジナル酒器制作

 佐賀県伊万里市と伊万里鍋島焼協同組合(同市)は21日、地域に伝わる伝統技術を生かして作った鍋島焼(伊万里焼)の酒器「色鍋島青海波橘文瓶子(いろなべしませいかいはたちばなもんへいし)」を浜松市に寄贈した。伊万里市の深浦弘信市長や同組合の畑石真二代表理事らが浜松市役所を訪れ、浜松城主となぞらえた中野祐介市長に“献上”した。

中野市長(左)に鍋島焼の酒器を献上する畑石代表理事=浜松市役所
中野市長(左)に鍋島焼の酒器を献上する畑石代表理事=浜松市役所


 伊万里市にかつて佐賀鍋島藩の藩窯があり、将軍家や諸大名、朝廷などに献上する高品質な焼き物「鍋島」が作られていたことにちなんだ恒例事業。鍋島焼のPRや伝統継承を狙って1989年から毎年、城のある自治体の首長らに寄贈している。今年は大河ドラマの主人公徳川家康にゆかりのある浜松市を選び、約4カ月をかけてオリジナル酒器を制作した。
 酒器は高さ37センチ、幅22・5センチ。ミカンやマツといった浜松市の花や木、遠州灘にちなんだ青海波、浜松城に咲くサクラなどの絵柄を施した。浜松市は浜松城天守閣内に展示し、来館者に公開する。
 「献上の儀」では、畑石代表理事が「先人の偉業と歴史に感謝し、さらなる振興に思いを込めて作った。謹んで献上申し上げる」と中野市長に酒器を手渡した。中野市長は「伊万里、浜松両市の友好の証しとして大切にしていきたい」と謝辞を述べた。
 (浜松総局・宮崎浩一)

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