井上靖のブロンズ像披露 長泉町の文学館50周年記念で 女優・山本陽子さん朗読も

 長泉町井上靖文学館は25日、開館50周年の記念式典を同館で行った。同町在住の彫刻家堤直美さん制作の井上のブロンズ像が初披露され、井上家の関係者と節目を祝った。

初披露されたブロンズ像と制作した堤さん(左)と女優の山本さん(右)=長泉町井上靖文学館
初披露されたブロンズ像と制作した堤さん(左)と女優の山本さん(右)=長泉町井上靖文学館

 ブロンズ像は3月から制作を開始。11回の作り直しを経て完成させた。堤さんは「肖像は何度も作ったことはあるが、井上靖という作家を表現するのには苦労した」と振り返った。井上の長男修一さん(82)は「父のいいところが集まった感じ」と述べた。
 式典では「しろばんば」のテレビドラマに出演した女優山本陽子さんによる作品の朗読も行われた。井上が新聞記者だった当時、原稿の伝達手段が伝書バトだったことからハト形のバルーンセレモニーも実施。池田修町長は歴史を振り返り「新たな出発点。より多くの方に来場してもらえるようにしたい」と話した。
 同館は1973年11月25日に開館した。初版本や原稿など井上に関わる資料を約3千点所蔵する。2021年に町営となった。

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