記者コラム「清流」 手紙の良さを実感

 先日、取材中に高齢女性から手紙をいただいた。宛先が書かれていない封筒から、手書きの便箋やお気に入りの記事?の切り抜きが飛び出ていた。支局の郵便ポストに入れようと足を運ばれた際、姿を見かけて手渡してくれたのだろう。
 便りには新聞を楽しみにされている思いがつづられていた。さらに読んだ紙面で千羽鶴を折り上げ、物干しざおに装飾して交流センターに飾っているという。機会を見つけて伺うと、糸を通した複数の鶴がつらら状につるされていた。「健康で楽しい生活ができますように」と、七夕のササ飾りをイメージしたそうだ。
 スマホでのやりとりが主流となり、手紙を書いたり受け取ったりする機会は減った。だからこそ活字の温かみを再確認し、人と人のつながりを深めてくれる手紙の良さを実感した。
(磐田支局・崎山美穂)

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