記者コラム「清流」 図書館 

 思考が整理できない時や心を落ち着かせたい時に訪れる場所がある。図書館だ。何げなく手に取った書籍でもページをめくると新たな言葉や考え方と出合い、気づきを与えてくれることもある。まさに知識の宝庫と言ってよい。
 しかし、近年は本離れが急速に進んでいる。地域からは書店が姿を消し、図書館の利用者減少は全国的な流れという。
 どうすれば図書館に足を運んでもらえるか。先日、御前崎市立図書館アスパルで開催された県舞台芸術センターの出張劇場を見た。館内の空間を活用した試みで普段は見慣れない働き世代や子どもの姿もあった。新たな価値を創出する考えは今後の図書館運営のヒントになり得ると感じた。
 図書館は本を貸し借りするだけの建物ではない。心躍る場所であってほしい。
(御前崎支局・市川幹人)

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