大自在(12月7日)サポーター

 J1昇格を懸けたプレーオフ決勝。東京・国立競技場は必勝を疑わない清水サポーターがアウェー側スタンドを埋め尽くし、東京Vを圧倒した。
 しかし、試合は土壇場で同点に追い付かれ、失意の結果に。競技場横のホープ軒の背脂ラーメンがずっしりと胃にもたれた。
 清水は来季もJ2で戦う。だが、サポーターがクラブを見限ることはないだろう。厳しい目線で批判すべきは批判しながら、どんな苦境でも励まし合い、支え続ける。それがサポーターと呼ばれる所以[ゆえん]だし、清水の歴史そのものだ。
 たまたま同じ日に都内で公演した英ロックバンド「オアシス」の元ギタリストのノエル・ギャラガーさんは、イングランドのマンチェスター・シティーの熱烈なサポーターだ。ステージ上にエンブレムを掲げ、クラブへの長年の愛着を隠さない。
 日本のロックスターも負けてはいない。「THEE MICHELLE GUN ELEPHANT(ミッシェル・ガン・エレファント)」、「The Birthday」のボーカル、ギターで、先月に55歳で逝去したチバユウスケさんは、J1FC東京のサポーターだった。好きが高じてクラブの非公式応援歌を発売したこともある。FC東京は訃報を受け、X(旧ツイッター)に追悼コメントをつづった。
 チバさんが4月に食道がんを患っていると公表した際には、ゴール裏のサポーターが激励の横断幕を作り、チャント(応援歌)を合唱した。復帰の願いはかなわなかったが、清水サポーターと同様、お互いに支え合う関係がそこにはあった。

いい茶0
あなたの静岡新聞 アプリ
地域再生大賞