クリアランス製品 使用拡大 金属再利用 側溝のふた 中電、グループ会社も

 中部電力は8日、浜岡原発(御前崎市佐倉)1、2号機の廃炉作業で出た「クリアランス物」の金属再利用について、委託製造しているグレーチング(側溝のふた)を中電グループ会社でも使用することを発表した。これまでは主に同原発敷地内での利用にとどまっていたが、使用事業者を拡大。社会的な認知度を高め、課題となっているクリアランス物の再利用促進につなげたい狙いだ。

中部電力が廃炉作業で出た金属を使って製造したグレーチング。使用をグループ会社まで拡大する=8日午後、御前崎市佐倉の浜岡原子力館
中部電力が廃炉作業で出た金属を使って製造したグレーチング。使用をグループ会社まで拡大する=8日午後、御前崎市佐倉の浜岡原子力館

 クリアランス物は放射能濃度が極めて低く、人体に影響がないと国に認められた金属などで一般の産業廃棄物と同じように扱う。中電によると、グレーチングは御前崎市に製作所を置く木村鋳造所が製造し、1枚当たり重さ約30~50キロ。中電パワーグリッドが12日から駿遠変電所(掛川市)に102枚、東清水変電所(静岡市清水区)に108枚を順次設置する。愛知県のテクノ中部本店と中部プラントサービス本店大江にもそれぞれ1枚ずつPR用で展示するという。
 クリアランス物を巡っては、国が国民の理解が定着するまで再利用先を電力事業者の業界内に限定し、現在は一般利用できない。中電は2022年9月に初めてクリアランス金属を使ったグレーチングを浜岡原発敷地内で利用開始した。全国ではベンチや照明灯として再利用している例がある。
 (御前崎支局・市川幹人)

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