富士山麓の不法投棄 住民意識と目で撲滅を 県、啓発に注力

 静岡県東部健康福祉センターは、県内全体の約半数を占める富士山麓の不法投棄撲滅に向けて住民への啓発活動を強化している。広大な富士山麓での抑止と早期発見には住民の意識と目が欠かせないとして、協力を呼びかけている。

不法投棄撲滅月間に合わせた街頭キャンペーン=沼津市
不法投棄撲滅月間に合わせた街頭キャンペーン=沼津市

 12月の不法投棄撲滅月間に合わせた街頭キャンペーンをこのほど、沼津市のJR沼津駅前で実施した。担当者は「住民が許さないと思って目を光らせてくれれば、抑止力になる」と強調。県が設けた不法投棄110番を周知し、発見時は速やかに通報するよう訴えた。発見が早ければ投棄した人を特定しやすいという。
 同センターによると、県内の産業廃棄物の不法投棄は減少傾向だが、富士山麓が半数を占める状況は長年変わらない。開発行為が盛んな首都圏に近く、人目につきにくい場所が多いことが背景にある。関係機関と連携してパトロールを続けるとともに、機会を捉えて住民の意識向上を図る。
 廃棄物の不法投棄は崩落や土壌・水質汚染につながる恐れがある。同センターは「富士山麓は不法投棄を許さないという雰囲気をつくりたい。世界遺産の富士山を守ることにもなる」としている。
 (東部総局・矢嶋宏行)

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