【一問一答】宮沢防衛副大臣 キックバック「派閥から報告書に記載しなくていいという指示」

 自民党派閥の政治資金パーティーを巡る裏金疑惑で、防衛副大臣を務めた安倍派の宮沢博行衆院議員(比例東海)が13日、国会内で記者団の取材に応じた。一問一答は次の通り。

記者団の取材に応じる宮沢博行防衛副大臣=13日午後、国会内
記者団の取材に応じる宮沢博行防衛副大臣=13日午後、国会内

 ―政治資金収支報告書へのキックバックの記載についてどのような指示があったのか。
 「派閥から報告書に記載しなくていいという指示があった」
 ―どのような指示が誰からあったのか。
 「それは全く分からない」
 ―指示にどう考え、対応したか。
 「この問題が発覚してから、記憶があいまいだったので秘書と精査を続けた。やりとりの中で記憶も戻ってきて秘書と確認した。パーティー券は国民からいただいた浄財、厚志だ。報告書に記載しなくていいと言われたとしても、厳正に管理しなければいけないと感じた。別会計を設けてしっかり政治活動として管理していこうと決意し、指示した」
 ―報告書に記載しなくていいと説明された理由は。
 「全く分からない。そういうものなのかとしか思わなかった」
 ―理由を聞くことはなかったか。
 「大変恐縮だがしていない」
 ―指示はいつ頃あったのか。
 「記憶があいまいで何とも答えようがない」
 ―副大臣人事に意見が出ていることをどう受け止めているか。
 「報告書の不記載については大変申し訳ないことだと思っている。だが、国民からいただいた大事な大事なお金なので厳正に管理し、政治的活動として使った。領収書もしっかりと整えている。不記載はおわびしなければいけないかもしれないが、厳正に管理してこの結果かというのは正直、大変残念で悔しい思いだ」
 ―報告書に記載しなくていいとどんな立場の人から連絡があったか。
 「分からない。そういう指示だったので仕方ないなと判断した」
 ―憤りはどの相手に対してか。
 「それはなかなか申し上げることはできない。それよりもやり残した仕事がいっぱいある。こういう安全保障環境の中で友好国と防衛交流を進めていかないといけない。政務だからやれることがいっぱいある。そういう中で仕事を中途半端で省を去らないといけないのは政治家として本当に悔しい思い」
 ―記載しなくていいという指示は政治家からか、事務方からか。
 「覚えていない。分からない」
 ―指示を受けた時はどのように思ったか。
 「こうなった以上は正直に申し上げる。大丈夫かなとは思った。思ったが、これで長年やってきているのだったら適法なのかなと。そういう風に推測せざるを得なかったので指示に従った」
 ―不記載のお金の使い道は。
 「政治的な活動として使った。さまざまな団体の年会費や政治活動としての交際費に使った。3年間で140万円」
 ―他の安倍派の議員も同じ認識という考えか。
 「実は議員の間でこの件について具体的に意見交換する機会がほとんどなかった。多くの仲間も早く説明して身の潔白を証明したいと思っていると推測する。だが、はっきり申し上げる。(派閥は)しゃべるな、しゃべるなと、これだ。多くの議員がたぶん適正に管理していただろう。パーティー券なんだからしっかり管理していた。不記載はあるが、使途において、やましい思いで使っている人などいないはずだ。だから早く説明して身の潔白を証明したいと多くの議員が思っているだろう。先にこうやってしゃべってしまったことは、仲間の我慢を裏切ってしまったかもしれない。地元事務所にも国会事務所にも何も相談せずに答えてしまった。これについても事務所に迷惑をかけているかもしれない。だが事ここに至った限りは、もうしゃべるしかないと思って決断した」
 ―しゃべるなと誰に言われたのか。総理か。
 「総理は違う。まあ派閥からだ」
 ―指示があったことは間違いか。
 「しょうがない。ここまでしゃべってしまったのも、派閥から追い出されるかもしれないが指示はあった」
 ―誰からの指示か。
 「それは申し上げられない」
 ―派閥での進退をどう考えるか。
 「仲間の信頼を裏切ったので慎重に考えたい」
 ―しゃべるなと指示があったのはいつごろか。
 「それも申し上げられない。本当に申し訳ない」
 ―3年間の記載はいつか。
 「20、21、22年。コロナでノルマが下がった時期だった。それまではノルマに届かず自己資金を増して納入していたが、コロナでノルマが下がったことで達成して超過分が出たのが現実。多くの議員ももしかしたらそうなのかもしれない」
 ―キックバックが始まったのはいつか。
 「分からない。コロナ前はノルマを達成してなかったので。キックバックとは無縁だったので分からない」
 ―派閥からかん口令が敷かれている現状。どういった対応を求めたいか。
 「もう各議員の判断で動く段階に来ているかもしれない。派閥がみんなそろって身の潔白を証明していこう、ちゃんと修正していこう、そういうリーダーシップを早くとってもらえたら、こうやって仲間を裏切って早く説明することはなかったと思う。派閥に何を期待するか、もう分からない」
 ―派閥の対応が統一されなかった原因は。
 「それはせんえつな詮索なので申し上げない方がいい」
 ―きょう説明しようと決断した理由は。
 「事務所で精査が終わったことが一つ。それから副大臣人事が、直接聞いていないが、ご存じの通りの(交代の)結果になった。一時の感情といえばそうかもしれないが、その判断はないだろうと悔しい思い。それともう国民に開示する時が来たと判断したので申し上げた」
 ―人事は総理から説明があったか。
 「全く説明はない」
 ―この結果をどう考えているか。
 「派閥は志を同じくする者が集まり、政策を練っていく団体。お金が必要なのは当然だ。しっかりと貢献しなくてはならないという思いで販売の努力をしていた。もう何も申し上げることはない。今まで派閥にお世話になっているので、感謝の気持ちをこれから先もずっと持ち続けていきたい」

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