「家康の駿府」発信続け10年 静岡商議所 ポスト大河へ活気つなげ 飲食物や雑貨 ブランド強化

 徳川家康が長く暮らした駿府(静岡)のブランド力を地域活性化につなげるため、静岡商工会議所の観光・飲食部会の「余ハ此處(ココ)ニ居(ヲ)ルプロジェクト」が家康にちなんだ商品販売を始めて、ことしで10年目を迎えた。大河ドラマ「どうする家康」による静岡市への注目の高まりを来年以降につなげようと、メンバーは意気込んでいる。

プロジェクトの歩みを振り返る久保田推進委員長(左)らメンバー=静岡市内
プロジェクトの歩みを振り返る久保田推進委員長(左)らメンバー=静岡市内


 家康は生涯のうち今川の下で暮らした8~19歳、5カ国大名となった45~49歳、晩年の66~75歳の計3回、現在の静岡市中心部にあたる駿府で暮らした。大御所時代には駿府城を大きく造り替え、城下町が整備されたり諸外国から使者が訪れたりして、駿府は事実上の「首都」と称されたとされる。
 静岡の誇りを見直して魅力を広く発信するため、同プロジェクトは2012年に発足。14年からは家康の好物、逸話、健康長寿などにちなんだ飲食物や雑貨販売や、観光ツアーに取り組んできた。
 現在は市内21事業所が参加。大河ドラマが放送終盤を迎えた今月は、複数の県内イベントに出展して商品や静岡の歴史をPRし、「家康の遺体は久能山にある」と主張する久能山東照宮の落合偉洲名誉宮司を招いての講演会も開いた。
 同プロジェクトの久保田隆推進委員長(浮月楼会長)は「今年の盛り上がりを遺産として駿府の歴史を改めて学び直し、これからも誘客や販促を続けたい」と話している。
 (教育文化部・鈴木美晴)

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